02
「ホップ!遊びに来たよー!」
「つ、疲れたんだぞ……」
「本当だ、クマできてる」
「……っ!?」

あたしはかなこ。ハロンタウンという田舎街に越してきて、隣に住むホップと仲良くなった。彼のアニキで、ガラル地方では絶対的な存在のダンデさんから、ジムチャレンジへ参加するための推薦状を受け取ってあたしたちは、あちこちを旅して回り、成長した。

「あれからもうすぐ2年か、早いよね」

彼女はソニア。ポケモン図鑑をくれたマグノリア博士のお孫さんで、今では立派なポケモン博士。幅広い世代の人から指示される…、ちょっとした人気者。ソニアの作るカレーが絶品で最近は、キャンプよりも先にここへ来て食べることが多いかもしれない。

「って、ホップ!?どしたの?熱、あるの?」
「そ、そうじゃないんだぞ…かなこ、なかなか手強いな……」

そう言えばここ一月くらい、ホップの様子が何か変だ。たぶん博士になるための勉強で忙しいんだと思うけど…、何となく距離を置かれてるように感じる。でも、もしも違ってたら嫌だから、誰にも相談できないでいる。

「できた!ソニアさん特製のカレー、たくさん食べてよ。ホップも一旦休憩しな?あんた、最近ずっとそんな感じでしょ?まあ、何となく原因はわかるけど」

へ?何であたしを見た?まさかホップに何かした?知らないうちに。胸の中にモヤモヤを抱えながらも、ソニアのカレーが美味しくて。気づけばそんなことはすっかり忘れてしまっていた。


bkm
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