15
『ダイゴさん!私、ジョウトに行ってくるね!』

突然こう告げられた。目をぱちくり(とは言っても電話越しだから相手にはわからないけど)させているボクとは裏腹に、妙にテンション高いのはどうしてだろうか。

「うん…わかった。ボクも近いうちカントーに行くから、どこかで合流しない?」

そう提案すると…嬉しそうだ。何となくホッとするとボクは、デボンでの朝礼でカントー行きを伝えた。


「やあ!かなこ」

相変わらずのヒガナと久しぶりに会う。また旅に出ていたみたいで、シンオウ地方の神話を調べてたんだ、とか何とか嬉しそう!

「それで、ちょっちジョウトに行きたいと思ってるんだけど、きみも一緒にどう?」
「えっ?いいの!?」

まさか、ヒガナと一緒に旅できるなんて!嬉しくて即答しちゃったよ。私の返事に満足したのかヒガナが、じゃあ一週間後ね!と言っていなくなる。すぐさまダイゴさんにジョウト行きの連絡をすると、ちょうどカントーに行く用事があるらしくて。すんなりオッケーしてもらえた!

「せっかくだから、ジムに挑戦しようか?ロゼ」

モンスターボールを撫でてロゼに問いかける。日焼けさえしなければ…、平気だよね!ジムに挑戦するための選抜メンバーを夜な夜な考えながら、出発のときを待った。


「奥さん、いつになったらここを手伝うんだろう」

かなこちゃんのジョウト行きも同時に伝えると、ある研究員がこう言う。デボンで専門家以外が手伝える仕事なんてたかが知れているし、何より…ボクはかなこちゃんの自由を奪いたくない。

「かなこには…やるべきことがあるので」

ポケモン図鑑の完成。未だに達成はできていないようだけど、オダマキ博士が言うには、ホウエン地方のものならもう少しで完成しそうだと聞いたんだ(本人は何も言ってくれないからね……)。ブリーダーの仕事も楽しくやっているようだし、ユウキくんがついているから、変なヤツに絡まれることもないだろうから。…それから。勝負したいと言うユウキくんと会って、カントーへ旅立ったんだ。


bkm
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