仁跡
「跡部、何をそんなに一生懸命携帯見てるんだ?」
「―――手塚からメールが来ただけだ」
*****
「で?人の携帯を盗んだあげくメールを勝手に読んで、何か言いたいことはあるか?」
「……プリ」
「最期の言葉はそれで良いんだな」
「まぁ、待ちんしゃい。恋人の携帯がロックされとったら浮気を疑って中を見てしまうんは誰もが通る道じゃろう。……実際、浮気しちょるみたいやしのぉ」
「フン、テメェの浮気はメールでアウトなのかよ」
「友達にしては多すぎじゃ。しかもほとんどがお前さんから。……電話もしとるようじゃしのぉ」
「事務連絡だ」
「…他の奴等にも連絡を取っとるならまだしもここ最近は手塚の履歴しかないんじゃが」
「そいつはプライベート用で、今は合宿中だからな。わざわざ携帯で連絡する必要がねぇ、手塚以外はな」
「……プライベート用?」
「あぁ、あとは仕事用と監督用の2つを持ってきている」
「ほぉ…恋人用は持ち合わせとらんのんか」
「常に一緒にいれば、問題ねぇだろ?」
「…………」
「…沈黙、ってことは、この不毛な言い合いは終わりってことでいいんだな?」
「…ピヨ」
「フン、最初から疑ってねぇくせに、下らねぇこと言ってんじゃねぇよ」
「俺の方は愛されとる様で満足じゃがのぅ」
「……ま、確かにテメェが嫉妬してる姿はなかなか可愛かったんじゃねぇの?」
「景吾には、負けるぜよ」
暗証番号は1204
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10.5巻を読んで仁王は恋人の携帯を見るタイプか…と思った結果。
なかなか鍵が開かなくてもしかしてと思い自分の誕生日を入れて、その後柄にもなく照れてしまった仁王が可愛いと思います。
そして携帯のロックを恋人の誕生日にする跡部さまが何よりも可愛いと思います。
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