忍跡
ーー嘘吐きは泥棒の始まり
雪がしんしんと降り始める季節になった。俺達以外誰もいない、暖房のきいた教室で窓の外を眺めている跡部を、何かするわけでもなくただ見つめているとそんな言葉が聞こえてくる。
「どないしたん、いきなり」
「お前にピッタリな言葉だな」
「…なんでやねん。嘘なんて付いたことあらへんよ?」
「それこそ嘘だろ」
「…で?いきなり何でそないなこと思ったん?」
「………お前、さっきの言葉の意味、知ってるか」
「さっきのって、嘘吐き?嘘をついたらあかんっていう戒めやった気ぃするけど…」
「それもあるが、俺が思ったのは『悪いと思わないで嘘をつく人は泥棒をするのも平気になる。』だ」
「…それが?」
「てめぇは泥棒だな」
「言うとくけど、犯罪を起こしたことはあらへんで」
「メス猫や、俺の心…ハートを盗んでいきやがった」
「…………………さむー」
「顔真っ赤だぜ?」
「……せやったら、俺はこれからも盗み続けるん?」
「ハッ、まさか。てめぇはよりにもよって俺様のモノを盗んでいったんだ。…なにがなんでも捕まえるぜ?」
「…既に捕まっとるわ、アホ」
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忍跡です
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