み ず か
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庭には夢が埋まってる
神様のパズル  [4/7]

「こだわるって、そりゃ嫌われてるんだったらなんか理由があるんだろーって思うだろ。悪いことしたんだったら謝ろうって思っただけだよ」
「意味わかんない。ていうか、しつこい」
「訳わかんないのはそっちだろ」

  ぱたぱたぱた、と傘を打つ雨音が沈黙の横を通り過ぎる。
身長差のせいで見上げざるを得ない彼の張り詰めた瞳を見据えていると、喉の奥から何かがぐっと込み上げてくる気がした。

「あんたなんか、大嫌い」

  何かから解放されたように零れた言葉は抑えることもできず、続けてするすると喉から溢れていく。

「へらへらへらへら取ってつけたみたいに笑って。遊んでますよーみたいな雰囲気出しまくってるくせに余裕の成績トップですか。
あんた何がしたいの?真面目にやったって俺には敵いませんよーって、必死こいて頑張ってる私みたいなのを馬鹿にしたいの?
誰にでもいい顔して、作り物みたいに笑って、それで私のことも心の中では笑ってるんでしょ?」

  そのとき私は生まれて初めて、人の顔が凍りつくのを見た。
開かれた目はガラス玉のようにただそこにあり、時間が止まってしまったかのように息遣いも感じられない表情。
初めて対面したあの日の彼も、私のこんな表情を見たのだろうか。

  後悔しても、ただ何もかもが遅かった。
いたたまれなくなった私は、沈黙する彼を残してその場から逃げ出した。
最低なことだとわかっていても、そこから走り出さずにはいられなかったのだ。
何と謝ればいいのか、何と言えばいいのか、全く言葉の浮かんでこない真っ白な頭のまま、私は雨の中を走っていた。
心臓が早鐘を打つ理由は、決してそのせいだけではなかったけれど。

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