▼ ふもふも
タイトルと全然関係ない話だね!
付き合ってる設定。
――
ぎゅー。
『志貴くん?どうしたの?』
めったに甘えてこなかった志貴くんが私に抱きつく。
いつもならばそんな積極的ではなかろうに。
「んー…」
ぎゅーっ
さっきより抱きつく力が強くなった気がする。正直、甘えてくれるのは凄く嬉しいがいささか強いくお腹が苦しい。
『ちょっと志貴くんどこうね……』
甘えてくれるのだからあまりこの事は志貴くんが邪魔だと私が思っているようで言いたくなかった。
「…やだ。」
志貴くんが私の方をみてくれる。ずっと私のお腹に頭をうずめていたもんだから、目合わせてくれた志貴くんと話した時はちょっと志貴くんの顔が赤いような気がした。
『ちょっと熱あるんじゃない?』
「ない」
即答……。とにかく熱があることは誰からみても分かるので、志貴くんが寝てくれるように説得するだけだ。
『熱は何度あるかなー?』
「ちょっと…!」
今、手元に体温計がないので無理やり志貴くんのおでこと私のおでこを強制的ごっつんこさせた。
「…!名前っ何してっ!」
『やっぱり、熱いじゃん。そんな子は大人しく寝なさーい』
「……無意識かよ…」
『え?なんて?』
最後の志貴くんの言葉は聞きづらかった。
「…名前のせいで 熱あがった。責任とれ」
「えー…」
いきなりそんなこと言われても志貴さん。でも一応は聞いてやる。優しいな、私。
「ん。」
『は?』
「名前からキスしろ」
えええ!まさかの命令系ですか!?というか志貴くんがいつでも来いみたいに目を瞑っている。
とにかくこの状況からは脱出したい。私だってやっぱり好きな人とキスするのは恥ずかしい。
「早く。」
『もーわかったよ』
やらなければいけないようです。
『んっ』
「…!」
我ながら軽めなキスだったと思う。でも頑張ったよ、私!
キスした後志貴くんに抱きしめられた。
『苦しいですよー』
「やばい、かわいい」
『おお、志貴くんからそんな言葉がでるとは…!』
冷静を保っているように見えるがすごく恥ずかしい。
今は志貴くんの胸の中なので、顔は見られてないが真っ赤だと思う。
「好きだ。名前」
抱きしめられたまま志貴くんに言われる。
『〜!あーもうっ病人は早く寝なさーい!!』
――――
甘い。甘すぎる。
私的にね。
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