小説 | ナノ

 4話


緑谷出久との遭遇を果たしてナマエは無事に爆豪のクラスへと来ていた
ドアからひょこっと顔を出して近くにいた女の子に「勝己くんいますか?」と爆豪を呼んでもらうと教室の奥で男の子数人と話していた爆豪がナマエを見つけ小走りで駆け寄った

「どうしたんだよ、珍しーじゃねぇか」

「ちょっと勝己くんに相談があってね?」

普段は爆豪がよくナマエのクラスに来るが今回は逆
ここじゃなんだ、と爆豪はナマエの手を引っ張って廊下へと出る

「最近ねキラキラしたのが見えるようになったの。…でも私以外には見えてないみたいで、これってなんなんだろう?」

「なんだキラキラって…今も見えてんのか?」

はぁ?と言いそうになるのを堪えてナマエの拙い説明をを受けた爆豪はなんとか理解する
ー つまり視界の隅に自分以外には見えない何かがこいつには見えている

「うんっとね…あっ見える、見えるよ!今は勝己くんの横から私の肩らへんに移動した」

ますます意味が分からない
爆豪は自分の横とナマエの肩を往復して見てみるが別段変わったところもましてや煌めいて見えるところなど無い

「…もしかして、個性なんじゃねぇのか?」

普通個性は4歳程度で発現すると相場は決まっている
ナマエは小学3年生だ、発現するには遅すぎるが可能性として現にナマエにしか見えない不可思議な現象が起きているのを考えると個性が出現したと思っても無理はない

爆豪の一言にナマエは一瞬驚きそして花が咲いたような笑顔を見せる

「…っ!これって個性、なのかな!?…どうしようすっごく嬉しい…!」

「わかんねぇけどかもしれねぇってだけだからな!」

目の前の笑顔のナマエに頬を赤らめながら爆豪は言葉を返す

「ほらね!信じてたら個性って出てくるんだよ〜。どんな個性になるんだろう」

楽しみだなぁと終始笑顔のナマエを見つめる爆豪少年の心境は些か複雑であった
無個性なら、戦闘に向かない個性ならいい。と無意識に考えてしまっていた

ー そうしたら俺がナマエを守ってやるのに




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