小説 | ナノ

 3話


小学3年生になった頃、小学校生活も残り半分となっていた。
ナマエは相変わらず個性が出ないがこの頃、ふとした瞬間視界の端にキラキラしたものが見えるようになっていた

「これ、なんなんだろう…」

隣の席の子に「今キラキラしたの飛んで無かった?」って聞いても何言ってんだって顔で見られる始末

これはきっと私にしか見えていないんだ、と自覚したのはつい最近

勝己くんに相談しようかな、と昼休みに爆豪のクラスへ向かう途中考え事をしていたせいか前方不注意で誰かとぶつかってしまう

「ごっごめんね!私がちゃんと前見てなかった!」

「い、いや!僕の方こそ俯いてたから!本当ごめん!」

ドンっと互いに尻餅をついてから相手を見ると目の前にはふさふさの緑色の髪をした同い年ぐらいの男の子

「あれ?君今勝己くんのクラスから出てきた?」

「ひぁぇ!?かっちゃんの事知っ…もしかして…ミョウジさん…?」

「ナマエでいいよ!それよりどうして私のこと知ってるの?」

「か、かっちゃんがよくナマエちゃんの事話して…い、いや!今の言っちゃダメなんだった!忘れて!」

目の前の少年はおどおどした様子で少し早口に話す
少年が言いかけた事も気になるがナマエは腰を上げてまだその場に尻餅をついてる男の子に手を伸ばす

「君、勝己くんと仲良いんだねぇ。名前はなんて言うの?」

「仲良いっていうか幼馴染で…僕出久、 緑谷出久」

「幼馴染なんだ!よろしくね出久くん!」


じゃあ私勝己くんに用事があるから!と手を振りながら去っていくナマエ
この 緑谷出久が爆豪の話によく出てくる“デク”だと気づくのはもう少し先




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