小説 | ナノ

 24話




ゾルディック家の門前に1人取り残されたナマエは守衛室から男性がこちらを見ているのに気がついた

「おやおや、もしかして君がナマエさんかな?」

「あっはい、こんにちは」

「先にゴンくん達が中に入ってるよ」

暗殺一家の門番をしているとは到底思えない気の優しそうなおじさんだ
ゴン達が無事に来ていることを知りナマエは安堵した

「中に入るにはどうしたらいいですか?」

「簡単だよ、その門を開ければ中に入れる」

ナマエの前には“試しの門”と呼ばれる7つまである大きな扉があった

「ちなみに1の扉は片方2トンあります」

「2トン!?」

どんな家の扉だよ!と思わず突っ込んでしまった

「どうしますか?試してみますか?」

「もちろん!」

ナマエは笑顔で守衛の人に言うと振り返って門に手を着く
深呼吸をして思いっきり扉を押すとゴゴゴッと凄まじい音を立てて門が開き始める

「なんと…!2まで開けるなんて!」

「っと、これで中には入れるんですね?」

「え、えぇ…流石キルア坊ちゃんのお友達だ…」

目の前の華奢な女の子はとても少女と思えぬ腕力で試しの門を開けてみせた

「それじゃあ私キルアに会ってきますので」

では、と言いながらナマエは門の中へと入っていった

残された守衛、ゼブロはまだ試しの門を開けれず修行しているゴン達の事を伝え忘れる程ナマエに驚いていた


ナマエが森に入って数十分後、道の前にナマエより少し年上の女の子が立っていた

「出て行きなさい」

「私キルアに会いに来たんです」

会って早々突っぱねるような態度を取られたのでナマエは少しムキになって言い返す

「あなたがいる場所は私有地よ。断りなく立ち入る事はまかり通らないの」

「ちゃんと試しの門を開けて門番さんにも会いました!」

「それでもダメ。ここを一歩でも超えたら実力で排除します」

なんて分からず屋な女の子なんだろう、とナマエは呆れた

仕方ない、無闇矢鱈に使いたくは無いが彼女を説得するには日が暮れそうだとナマエは諦めた

「貴方、名前なんて言うの?」

「…カナリア」

「私はナマエよろしくね」

「私は貴方と仲良くする気は無いわ。去りなさい」

ナマエは久々に使う念の感覚に力を込めた

『カナリア、そこを退いて私を通しなさい』

「…わかったわ」

念をかけられたカナリアは虚ろな目をして先程とは打って変わった態度でナマエを先へと速やかに通した

横を通る時にごめんなさい、と小声で謝っておいた
カナリアは根は悪い人ではないのは分かっていたがナマエは直ぐにでもキルアに会いたかったのだ






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