小説 | ナノ

 25話




ゾルディック家に無事侵入したナマエは薄暗い廊下を歩いていた
広すぎる敷地に部屋数にどこにキルアがいるのか分からないでいた

円を使おうにもここは暗殺一家の家だ無闇に動くと執事や最悪イルミ達にも会いかねない

ナマエが一つ一つ部屋を注意しながら見て回っていると前から大きな人影がやってくる

「全く!ゼノじいちゃんはキルアに甘すぎるんだよ!」

慌てて近くの部屋に入り男が通り過ぎるのを待つがズカズカと怒りに声を荒げながら歩いてくる太った男を見てナマエは以前キルアが飛行船で「ブタ君」だと説明していた兄のミルキだと察した

ミルキがナマエが隠れている部屋を通り過ぎた後ナマエはひっそりとミルキの背後を取る

『ミルキ、キルアの所まで案内しなさい』

「…今は父さんの部屋に行ってるよ。こっちだ」

久しぶりの念を2人にまで、それもキルアの家族に使ってしまい少し後悔するがやってしまった物は仕方ない
ゼンとの約束が破られたわけでもない、と言い抑えた

何度味わっても人が自分の言いなりになる傀儡の様な現象には嫌気がさす

ナマエは拳を握りしめながらミルキの後ろをついて行った

「あれ?兄貴なにし…ナマエ!?」

「あ!キルア!」

それは突然の事だった
薄暗い廊下を歩き続けていたら前からキルアが歩いてきたのだ

キルアに話しかけられても無反応なミルキにキルアは不審がる

『ミルキ、元いた場所へ戻って』

「…わかった」

ふらふらと覚束ない足取りでミルキは無言のまま去っていく

「なに今の!?てかなんでいんの!?聞きたい事山程あんだけど!?」

「そりゃこっちもだよ!」

目の前の現象にパニック状態のキルアにナマエも負けじと応戦した

「心配したんだから…!」

ナマエはキルアに飛びつく様に抱きついた
キルアは慌てながらもゆっくりナマエの頭に手を置いた

「ごめん…」

「一緒にハンターになろうって約束したのに…!」

「悪かったって」

これではまるでどちらが迎えに来たのか分からない
赤児をあやすかの様にキルアはナマエの頭を撫で続けた
いつかのハンター試験を思い出す風景だった

「とりあえず行こうぜ、ゴン達も来てるんだろ?」

「え?先に入ったんじゃないの?」

「は?一緒じゃないのかよ?」

「先に行っててって別行動してて…ここではまだ会ってない」

「マジかよ!…じゃあ一緒に執事室行こうぜ、多分みんなそこだから」

こっちだ、とキルアに案内されながらナマエはキルアの横を歩いた
隣を見れば傷だらけのキルアがナマエを見る
ハンター試験では合わなかった目が合う事が嬉しく思うナマエだった






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