小説 | ナノ

 20話




四次試験終了から3日後、飛行船から最終試験場に降り立ったナマエ達は広い建物の広場に案内され最終試験の説明を受けていた

最終試験は1対1のトーナメント形式
クリア条件はたった1勝でハンター資格を貰える

10名のうち1人のみが脱落者となり不合格者はたった1人だ

これまでの成績の元組まれたトーナメントであり戦い方も武器ありの反則無し相手に「まいった」と言わせれば勝ちだ
ただし相手を死に至らしめたら即失格である

その事にキルアはピクリと怒りを表していた
トーナメントは成績が優秀な者ほど多く戦う事ができるがキルアよりゴンの方が戦いの回数が多かった
ナマエもキルアより多く戦える事に何となく申し訳なく思っていた

「私はキルアは強いって知ってるよ?」

「…そーいう事じゃないよ」

ツンと唇を立てて機嫌が斜めになっているキルアには何を言っても無駄であるとナマエは判断して押し黙った

第一試合はゴン対ハンゾー

一次試験からずっと誰かに話しかけていた忍者の様な男が相手だ

試験が始まってからは悲惨だった
ゴンよりハンゾーの方が戦闘ははるかに上だが心はゴンの方が強く何度打ちのめされても腕を折られても刃物を突きつけられてもゴンは「まいった」と言わなかった

拷問のような光景にナマエは怯えキルアの後ろに隠れて試験を見守っていた

ゴンの腕が折られた時レオリオを筆頭にクラピカまで怒りが頂点に達していた、それはまたナマエも然り。短い間だがナマエはゴンに対して心を開き仲間意識という物も芽生えている。そんな相手に悲惨な仕打ちをされては黙ってはいられない
今念を使えれば、と拳を握りしめながらも部外者が入る事の許されないリングを見守るしかなかった

最終的にはハンゾーがゴンの心に折れハンゾー自ら負けを認める事によってゴンの勝利となった

ゴンは試合の結果に不服を漏らしながらもハンゾーの手によって気絶させられた後試験管に運ばれていくゴンを心配そうに見守ったが次の試合が有無を言わせず始まってしまう

「私…あなた嫌いです」

ハンゾーが横を通る時にナマエはハンゾーの目を見ずに呟いた
その言葉を聞いてハンゾーは少し笑うと降参かのように両手をあげて「悪かったな」と言った

ゴンの事が気になって仕方ないナマエを余所に第2試合のクラピカ対ヒソカはクラピカの勝利
誰がどう見てもヒソカがわざと負けたのだ

そして第3試合はナマエ対ポックル

初めて見る顔だがナマエは容赦しなかった

試合開始の合図と共にナマエはポックルの後ろへ回り首に手刀を食らわせ倒すと腕を掴みながら背中へ乗った

「ごめんなさい…早くゴンの様子を見に行きたいの。まいったと言ってください」

「…っく!…まいった…!」

力の入れ具合から格上だと察したのかポックルはあっさりと負けを認めナマエは晴れてハンター資格を取る事ができた

「ネテロ会長、すみません。ゴンの様子を見に行ってもいいですか?」

「うむ、主は合格じゃ好きにして良いぞ」

「ありがとうございます」

ナマエはネテロに頭を軽く下げると急いでゴンのところへ向かった






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