小説 | ナノ

 19話




『ただ今をもちまして第四次試験は終了となります。受験生のみなさん、すみやかにスタート地点へお戻りください』

数日間のキルアとの野営を無事過ごしたナマエはアナウンスに従ってスタート地点へと向かった

先日試験中にヒソカと邂逅しキルアと抱き合った日を思うと顔が熱くなるがスタート地点へ戻るにつれてだんだんと火照った顔も冷めてきた

「ゴン!クラピカも!」

「ナマエ!よかった!オレナマエなら試験合格すると思ってたよ!」

「ゴンはヒソカのプレート取ったって聞いたよ!?顔もこんな傷だらけで…無茶したんでしょ」

ムッと怒ってみせるナマエにゴンは謝りつつも笑顔が隠しきれていない

「なんで笑ってるの?私怒ってるんだよ!」

「えへへ…だってナマエ、どんどんオレたちに表情見せてくれる感じが嬉しくてさ」

自分でも気づかない内にナマエはキルア達と過ごす時間が長くなるにつれ人間らしくなっていたそれは喜ばしいことである

「それは私も同感だな、今のナマエの方が私は好きだぞ」

「クラピカまで…!」

この短期間で複数人に「好き」だと伝えられナマエはこの上なく嬉しかったが恥ずかしくもあった
この「好き」は友人や仲間、それ以上なのかはナマエでさえまだわかっていなかった


4人で談笑していると突如飛行船の中でアナウンスが流れる

『えーこれより会長が面談を行います番号を呼ばれた方は2階の第1応接室までお越し下さい』

「面談…?」

「次の試験と関係あるのかな?」

「あっ私呼ばれた…なんだろう?行ってくるね」

「行ってらっしゃい」とキルア、ゴン、クラピカに見送られてナマエは応接室へと向かった

「失礼します…」

ドアを開けると和式の部屋の中央にネテロが座っていた

「まあ座りなされ」

用意されていた座布団の上にちょこんと正座して座るとネテロは紙と筆を持ち「いくつか質問する」と問うた

「まず、なぜハンターになりたいのかな?」

「えっと、私は何もない小さな島国で育ち島を出た後ゼンさんって言う師匠と出会いました…それでゼンさんが世界を見て自分や周りを守る力をつけろと言われました…それが理由です」

「ホッホッおぬしはどこか見た事がある雰囲気だと思ったがゼンの弟子かね」

「ゼンさんを知ってるんですか!?」

「古い友人での…そうかそうか、なるほどのう」

ネテロは嬉しそうに相槌を打ちながら紙にさらさらと何かを書いている
ナマエはまさかゼンの知り合いと会えるとは思ってもみず心がはやった

「ではナマエ、おぬし以外の9人の中で1番注目しているのは?」

「注目…99番と405、404に403の4人とは仲良くしたいなって思ってます」

「ふむふむ…では最後の質問じゃ。9人のなかで今一番戦いたくないのは?」

「さっきの4人が1番戦いたくないけど出来れば誰とも戦いたくは無い…です…私は守る為に力をつけたいから」

「なるほどのう…ご苦労じゃった下がって良いぞ」

ナマエは立ち上がりドアの前で「失礼しました」と頭を下げドアノブに手をかけた時ネテロが去り際に話しかける

「ゼンのやつによろしくな」

にっこり笑って言うものだからナマエもつられて笑顔で「はい!」と元気よく答え部屋を出た






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