小説 | ナノ

 17話




森をひたすら歩いて数時間、スタート地点から尾行してくる相手は一向に姿を見せない

「時間の無駄だぜ、いくら尾けまわしたってオレはスキなんかみせないよ」

痺れを切らしたキルアが尾行相手へと視線を向ける
それでも姿を見せない相手にこちらから出向こうと足を運んだ時奥の木陰から2人の男が現れた

「待たせたなイモリ」

「兄ちゃん!」

「そっちはもう終わってるよな」

同じような顔の男が3人集まった所で一次試験からいるメンバーだとナマエは気づいた

後から現れた2人がまだプレートを取っていない男を叱っている

「オレが行くから下がってろよナマエ」

「わかった」

キルアに言われるがままに数歩後退しキルアの戦いを見届けるナマエ

初めにキルアがガタイの良い男から蹴りを食らい後方に飛ぶがケロッとした様子で立ち上がりついでにプレートを奪っていた

「おっ198番じゃん!これナマエのターゲットじゃね?」

「えっウソ!本当だ!」

ホイっとプレートを渡されたナマエは「こんなに簡単にいって良いのかな」と罪悪感に見舞われた

「オレの欲しい番号と1番違いってことはもしかして199番はそっちの2人のどっちかかな?」

「キルア、手貸そうか?」

「いや、三次試験でも物足りなかったしオレがやる」

「はーい」

キルアから受け取ったプレートを大事に抱えナマエはキルアの戦いに手を出さないことにした
その後キルアは軽々と197番とキルアのターゲットの199番をゲットした後197番のプレートはどこか別の方向へと思い切り投げていた

「あと5日あるし頑張って探しなよ、あ、こいつ狙ってもムダだからね。行くぞ」

森の中を颯爽と走るキルアの後ろについて行くナマエ
数キロ離れた地点で「この辺でいいだろ」と見切りをつけ足を止めた

「それにしても私こんな楽にプレートゲットしちゃってよかったのかな?」

「良いんだよ別に、運も実力のうちだろ」

「そう言ってもらえたら助かる」

へへっと首を傾げて笑うナマエにキルアは少し赤くなる
この少女はいかんせん少年の心を揺さぶるのが得意である

しばらく歩いている内に川辺に着きそこで試験終了日まで2人で野宿することにした

「こんなに早く終わっちゃって残りの日数結構残っちゃったね」

「だなー、ハンター試験って以外とチョロくてガッカリだぜ」

2人は川岸に座り込み野営の準備を始めながら会話を楽しんでいた


「野営は順番でやろう!最後まで気を抜かないで一緒にハンターになろうね」

「…ナマエってよく恥ずかしげも無く“一緒に一緒に”って言えるよな…」

「ふぇっ!?えっと…変な意味じゃ無くて…私小さい時から大人しか周りに居なくって、同い年の子なんて初めてで…その、嬉しくて」

純粋すぎるナマエの言葉がやけにキルアに突き刺さり聞いてるこちらまで恥ずかしくなる
この調子で残り日数過ごせるのかが不安になってきたキルアであった






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