小説 | ナノ

 15話




「ここはトリックタワーと呼ばれる塔のてっぺんです。ここが三次試験のスタート地点になります。試験内容は生きて下まで降りてくる事、制限時間は72時間」

簡単な説明を受けて参加者40人はトリックタワーの頂上に立っていた

側面には窓ひとつないただの壁だが86番のプレートを持った男が壁を伝い降り始めた

「うわすげ〜」

「もうあんなに降りてる」

「ロッククライマーってこんなに高い壁でも降りれるんだね」

ナマエ達が呑気に男を眺めていると人面の大きな鳥の化け物が男性に向かってくるのが見えた

「おいナマエこっち来い」

「え?うん」

キルアはナマエに目隠しをする様に腕を前に上げ壁と逆方向へ歩いて行く、そして背後からは男性の断末魔が聞こえてきた

キルアは無意識のうちにナマエを悲惨な目から遠ざけようとしていたのだ


キルアに連れられてタワーの中心部へと足を進めた途端にガコンッとナマエの足元のタイルがひっくり返りあっという間にナマエはタワーの中へと引きずりこまれた

「痛っ…キルア!?」

ナマエは突然落とされてから地面に尻餅を突き上を見上げるが天井が広がるばかりでキルアの姿や降りてくる気配もない
回転式の床の様でまた開く気配もない

1人取り残された気分になりナマエは久しく感じていなかった孤独感を感じながらも試験に集中しようと意気込んだ

「“格闘の道、対戦者を敗北させてゴールへ進め”…戦えって事か」

ナマエが壁に書いてある文字を読み上げると扉が開き一本道が続いていた
歩き続けるとしばらくして大きな広場に辿り着き反対側から体格の良い男が3人出てきた

「我々は審査委員会に雇われた「試練官」である!ここで2勝以上すればこの先に通る事ができる。引き分けは無し片方が負けを認めた場合残された片方を勝利者とする!」

代表的な男が大声でルールを説明しナマエはそれに同意した

「1番手は俺だ」

1人目の男が前に出て広場の中央へ着くとナマエも身構える

スタートの合図が出されたと同時に両者が飛び出し男が蹴りを出そうとした所をナマエが手のひらで止めもう片方の手で顎を殴る

修行時代にゼンと毎日行った組手で嫌というほど学んでいるナマエはとても12歳の女の子とは思えぬ手つきで大の男をあしらった

体制を崩した男をそのままなぎ倒し首に手を当てるナマエ

「…降参だ」

「ありがとうございました!」

潔く負けを認めてくれた相手に対して会釈をすると次の相手が交代で出てくる

その男も同じように軽い組手で無事ナマエは2勝をあげ先へと進む事ができた
進んだ先はすぐにゴールであり重たい扉が開くと数人の受験者が既に座り込んでいた

『252番ナマエ!三次試験通過第8号!所要時間5時間42分!』

三次試験を無事通過出来た事に喜びを感じていたが合格者の中にヒソカを見つけナマエは怯えながら隅へと逃げキルア達のゴールを待った

「…!キルア!ゴン!クラピカ!」

とうとう残り1分を切った頃に漸くキルア達の姿が見えナマエは駆け寄った

「おいおい俺は無視かよ」

「レオリオも!みんな無事合格してよかった〜」

後ろから見知らぬ男も出てきたがキルア、ゴン、クラピカ、レオリオとの再会をナマエは心から喜んだ

第三次試験通過人数25名として終わりを告げた






prevnext

back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -