◎ 13話
3人でしばらく話していると突然背後から殺気とも言える雰囲気が突き刺さり3人は勢いよく振り向き席を飛び立ったが見つめた先には誰もいない
ナマエは逆方向の廊下を見るとネテロが廊下の角から曲がってくるのが見えた
「ホッホッお嬢さんは感が鋭いのぅ」
下駄をカラカラと鳴らせ近くネテロにキルアは冷や汗をかきながら「素早いね年の割に」と告げた
「今のが?ちょこっと歩いただけじゃよ」
ネテロの返しにキルアはビキビキと血管を鳴らせ一触即発の雰囲気になりゴンとナマエは狼狽えていた
「どうかな3人、ハンター試験初挑戦の感想は?」
「うん!楽しいよ!想像と違って頭使うペーパーテストみたいなの無いし」
「私も楽しいです!同い年の子がいるなんて思ってもなくって」
ゴンとナマエが活き活きと感想を告げる中キルアだけは「オレは拍子抜けしたね」と相変わらずの雰囲気に行こうぜ、と声をかける
「まぁ待ちんさい。おぬしらワシとゲームをせんかね?」
「ゲーム?」
「もしそのゲームでワシに勝てたらハンターの資格をやろう」
「え!?いいんですか!」
ナマエ達は驚きながらもネテロの案に乗り場を廊下から広場に移した
ネテロは上着を脱ぎタンクトップになったと思いきやどこからかボールを取り出し器用に頭の上に乗せて説明を始めた
「この船が目的地に着くまでの間にこの球をワシから奪えば勝ちじゃ。そっちはどんな攻撃も自由!ワシの方は手を出さん」
「ただ取るだけでいいんだね?じゃオレから行くよ」
「ご自由に」
キルアが先陣を切り前へ歩いて行くとキルアは何重にも見えるようになる
「あれ?キルアが沢山見える…私おかしくなった?」
「ううん、ナマエはおかしくないと思うよ…オレにも見えるもん」
ゴンとナマエは何度も瞬きを繰り返すが目の前の光景は変わらなかった
そしてそこからキルアとネテロの攻防が続いたかに見えたがキルアの軸足への蹴りをもろともしないネテロにキルアはゴンへとバトンタッチをした
「キルアキルア!さっきの何?すごいね」
「肢曲っていう技だよ暗殺術」
褒められたことに照れ臭そうにしながら答えるキルアに「暗殺術かぁ」と上を仰ぎ見るナマエ
その間にもゴンはネテロと攻防を繰り広げていたが途中体力が尽きたのか「ナマエ〜!交代!」と座り込みながら叫んだ
「今度はお嬢さんか」
「はい!よろしくお願いします!」
ペコリと挨拶をすると同時に勢い良く地面を蹴りネテロとの距離を詰める
ボールを目掛けて手を伸ばすが寸前のところでボールが離れて行く
先程キルアが鉄の様に足が硬いと言っていたので足を狙うのは無しにしてナマエは側転の勢いでボールを持つ手首を狙い回し蹴りをするがネテロに頭を掴まれ阻止される
そんな攻防が10分以上続いた時ナマエはキルアにバトンタッチした
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