小説 | ナノ

 11話




ゴンを頼りにしばらく走っていると建物と数人の受験者たちも見えてきた
木の根元で気を失っているだけで命に別状は無さそうなレオリオを確認するとナマエはホッと安堵した

「あっキルア!」

「ナマエ!ゴンも!絶対もう戻ってこれないと思ったぜ」

無事到着していたキルアと合流してレオリオの香水の匂いを辿ったと言えば「犬かよ」と突っ込まれていた

「せっかく注意してやってもナマエもゴンも聞かねーもんな」

「ご、ごめんキルア」

ナマエが縮こまって謝るとキルアはニヤニヤと楽しそうに「もう注意してやんねーぞ」といじってきた

(意地悪だ…!)

そして正午になり大きな門が開くと手前のソファに女性が後ろに大柄な男が座っていた

「二次試験は料理よ!美食ハンターのあたし達2人を満足させる食事を用意してちょうだい」

「「料理!?」」

数人の受験者たちが声を揃えて驚いた後に大柄な男が試験を説明した

「オレのメニューは豚の丸焼き!オレの大好物」

よだれを垂らしながら男の試験管、ブハラは二次試験をスタートさせた

一斉に森へと出たナマエ達は豚を探す

「いた!」

ナマエが豚の群れを見つけゴン達を呼び駆けつけた全員で額が弱点である事を見抜き無事豚を確保した後ブハラに丸焼きとして差し出した

そして70名が試験を通過した

「二次試験後半、あたしのメニューはスシよ!」

「…スシ?」

聞いたこともない料理名にナマエは頭に疑問符を浮かべた

ヒントとして出されたキッチンには様々な形の包丁と米が用意されていた

「スシってなんだろう?キルア知ってる?」

「いや、全く」

「文献を読んだことがある…確か酢と調味料を混ぜた飯に新鮮な魚肉を加えた料理…のはずだ」

ナマエとキルアが話している後ろでクラピカが具体的なスシの形を定義するとレオリオが「ここは森ん中だぜ!?」と大声を出した事により多くの受験者達に魚というヒントを与えてしまった

「魚だって!川に行こう!」

クラピカの助言を得てナマエはキルアの腕を引いて川へ向かった

「そういやなんでオレなんだ?」

「え?何が?」

「あの場にはゴンもいたろ?…なんでオレだけ誘ったのかなって」

川辺に着いたナマエとキルアは簡易的な釣竿を片手に魚が釣れる時間駄弁っていた
釣りならゴンの十八番のはずだ、なのにナマエはゴンではなくキルアの手を引いた

「…なんでだろう、分かんないや…」

「ププッなんだよそれ」

「なんとなく…一緒に居たかったから…かな?」

ナマエなりに考えて出した答えだがその答えはキルアを赤くさせるには十分だった
「恥ずい事言うんじゃねーよ!」と明後日の方向を向くキルアの耳は真っ赤である

そして2人共魚が釣れる事無く二次試験後半のメンチの料理は合格者無しと判断された






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