小説 | ナノ

 9話




ヌメーレ湿原に突入してから幾分か経ち辺りは霧で満ちていた

「ゴン、ナマエもっと前に行こう」

「…あのトランプのヒソカって人だね…?」

「あぁ」

キルアとナマエの会話に疑問符を浮かべてゴンは後ろをついてくる

「あいつ殺しをしたくてウズウズしてるから霧に乗じてかなり殺るぜ…なんでそんなことわかるのって顔してるね、なぜならオレも同類だから。臭いでわかるのさ」

「…ナマエも?」

「どうだろう…でもあの人嫌な気がする。離れて置いて正解だと思う」

そっかぁとゴンが納得したかと思えば「レオリオー!クラピカー!キルアとナマエが前に来た方がいいってさー!」と後方に向かって叫んだ

「っぷはは!ゴンって面白いね!」

「ったく緊張感のない奴らだなぁ…つーかナマエ」

「ん?どうしたのキルア?」

「いや、明るい所で見たらナマエの目って綺麗だなって」

「ひぇ!?」

ボフッと音が出そうなぐらい真っ赤になったナマエをみてつられてキルアも思わす出た言葉に顔を赤くする

「べっ別に変な意味じゃねーぞ!ただそう思っただけで…」

「俺もナマエの目って綺麗だなって思ってたよ!」

弁解するキルアを横目にゴンが更に褒めることでナマエは走るペースを上げて2人の顔を見ないようにした
恥ずかしくて見ていられなかったのだ

それから数分経ち霧で前も見えなくなってきた頃、受験者たちのけたたましい声が聞こえてくる
後方にいるレオリオとクラピカが心配なゴンがちらちらと後ろを振り返る

そしてついに後方からレオリオの叫び声が聞こえた

「ごめんキルア、ナマエ、俺行ってくるよ!」

「おい!ゴン!」

「待ってゴン!」

レオリオの叫び声が聞こえたと同時に踵を返すゴンの腕をナマエが掴んだ

「私も…行く!」

「正気かよナマエ!?この霧だぞ!」

「ごめんキルア…でも私に話しかけてくれた人達なんだ」

そしてゴンと共に霧の中へと消えていくナマエを見つめながらキルアは「俺が1番に声掛けたっての…」と小さく呟いた

後ろ髪を引かれる思いをしながらもキルアは試験官へと続いて走って行った







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