小説 | ナノ

 8話




「いつの間にか1番前に来ちゃったね」

「あ、本当だ」

「うん、だってペース遅いんだもん。こんなんじゃ逆に疲れちゃうよなー」

ゴンが少し息を切らし汗をかく中ナマエとキルアは息切れ1つ起こしていなかった

楽勝かもな、と漏らすキルアにゴンは「キルアはなんでハンターになりたいの?」と聞いた

「確かに、私も気になるかも」

「オレ?別にハンターになんかなりたくないよ。ものすごい難関だって言われてるから面白そうだと思っただけさ…でも拍子抜けだな」

余裕そうに笑みを浮かべるキルアにナマエは理由がなくても受験する人はいるんだと思った

「今のところただ走ってるだけだもんね…ゴンは?」

ナマエはゴンへ視線をやり質問する

「オレの親父がハンターをやってるんだ!親父みたいなハンターになるのが目標だよ!」

「お父さんもハンターしてるんだ!凄いね」

「どんなハンター?親父って」

「わからない!」

ゴンの言葉にキルアとナマエは少し黙った後に吹き出すように笑った

「ナマエのお父さんは?」

「えっと…分からないの」

「もう居ないって事?」

「それも…分からない。でも私にはゼンさんって師匠がいるよ!その師匠に勧められてハンター試験受ける事になったんだ」

そうなんだ、とゴンとキルアが相槌を打っていると出口が見え始める
久方ぶりに外に出たと思ったら見渡す限りの湿原

「ここはヌメーレ湿原、通称“詐欺師の塒”。2次試験会場へはここを通って行かねばなりません。十分に注意して付いて来てください、騙されると死にますよ」

サトツが注意事項を話していると背後のシャッターが閉まる音が聞こえた
どうやらまだゴールではないらしい

「ウソだ!そいつはウソをついている!そいつは偽者だ!試験官じゃない、オレが本当の試験官だ!」

出入り口の後ろから怪我をした男性がサトツを指差して証拠だと言いヌメーレ湿原に生息する人面猿を出した
サトツと瓜二つな人面猿に受験者一同が動揺すると試験官だと言い張っていた男の顔にトランプが数枚刺さり男は無残にも倒れた

「くっく、なるほどなるほど。これで決定、そっちが本物だね」

ピエロのような格好をした人がトランプを持っている
先ほどのトランプは彼が投げたものだろう
そしてサトツは投げられたトランプを見事キャッチしていた

どちらが本当の試験官か分かったところで受験生312名がヌメーレ湿原へと突入した






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