小説 | ナノ

 32話




PM0:50

「今日のヒーロー基礎学だが…災害水難なんでもござれ人命救助訓練だ!」

教壇に立つ相澤がRESCUEの札を前に出し生徒達に見せた

今回のヒーロー基礎学は舞台を変えバスで移動した先にあるらしく委員長に任命された飯田が皆を仕切りバスへと案内する

バスの席では爆豪がナマエを横に座らせる

「あれ?勝己くん今日籠手は?」

「片方だけ持ってきた。今回はコスチュームの着用は自由って言ってただろ」

「あっそっか」

ナマエと爆豪が窓の景色を見ながら話をしていると「派手で強えっつったらやっぱ轟と爆豪だな」と切島の声が聞こえてきた

「強いだってさ勝己くん!照れちゃうね」

「なんでナマエが照れンだよ」

ケッと窓の方を向き直る爆豪に蛙吹は明後日の方向を見ながら呟く

「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」

「んだとコラ!出すわ!!」

「ホラ」

怒鳴る爆豪を他所にホラ、と蛙吹は爆豪を指差した

「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ」

「てめぇのボキャブラリーは何だコラ!?殺すぞ!」

トドメの上鳴の一言に爆豪は目を80度まで上げて前屈みになって怒鳴りつける

「っぷぷ…っははは!勝己くん酷い言われようだねぇ」

「笑うんじゃねぇ!ナマエ!」

爆豪がイジられる光景に耐えかねたナマエは吹き出して笑ってしまう
「それに比べて」と上鳴は続ける

「ナマエちゃんは優しいしヒーロー向きって感じで爆豪と真逆だよな!」

「てめぇ!それ以上喋ったら…」

爆豪が言い終わる前に相澤が「もう着くぞ、いい加減にしとけよ…」の制止が入りクラスの一同はビシッと静かになる
爆豪はまだ不服そうだ


そして暫くしてバスが止まり皆が降りた先には広大で様々な形をした土地が広がっていた

「すっげー!USJかよ!?」

「水難事故、土砂災害、火事etc…あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です。その名も…嘘の災害や事故ルーム!」

(USJだった!)

演習場の入り口でスペースヒーロー13号が説明をする
ー 個性というのは人を救える力だが同時に簡単に人を殺せる力である

「この授業では心機一転!人命の為に個性をどう活用するかを学んでいきましょう!」

ご静聴ありがとうございました!と頭を下げる13号に麗日や飯田が感銘を受けていた

(人を助ける事ばっかりに集中してたけど、やっぱり個性って扱い用によっては危険な力…もっと制御しながら存分に使えるようにならないと…)

とナマエが考え事をしていると相澤が演習場中央付近に現れた異変に1番に気付く

「ひとかたまりになって動くな!」

「え?」

「13号!生徒を守れ!」

相澤の怒声に13号も異変に気付く
演習場中央に黒いモヤが現れそしてその中から何人もの人が現れていた

「何だアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」

切島が目を凝らし中央を眺める前で相澤は首にかけていたゴーグルを装着する

「動くな!あれは敵だ!!」

奇しくも命を救える訓練時間にナマエ達の前に現れた
プロが何と戦っているのか、何と向き合っているのか、それは途方も無い悪意


「オールマイト…平和の象徴…いないなんて…子どもを殺せば来るのかな?」

集団中央の男が呟いた






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