小説 | ナノ

 24話




「最下位除籍って入学初日じゃなくても理不尽すぎる!」

クラスの何人かが声を揃えて相澤に意を唱えた
しかし相澤はそれを払って退ける

「自然災害…大事故…身勝手な敵たち…いつどこから来るか分からない厄災、日本は理不尽にまみれている。そういう理不尽を覆していくのがヒーロー…放課後マックで談笑したかったならお生憎、これから3年間雄英は全力で君達に苦難を与え続ける」

クラス一同が相澤を見つめる中相澤は人差し指をクイっと曲げて挑発気味に笑みを浮かべる

「“Plus Ultra” 全力で乗り越えて来い」


(これは頑張らないと…落とされる…!)

相澤の本気の笑みにナマエは身震いした
ボールを投げ終えた爆豪を見ると肩を回しながらまだ行ける、と言うような顔振だ
個性把握テストは全8種目

第1種目:50m走

飯田は足についたエンジンの個性、入学前に 緑谷を助けた女の子は無重力の個性、各々が自らの個性で記録を上げていく

ナマエは足が地面に触れると同時に風の個性シルフを使いゴールまで飛び上がる
学生時代8秒台だった記録が3.01秒まで跳ね上がる記録を叩き出した

「初めてやったけど…結構いける!」

意気込む物の背後から爆豪の邪念が襲ってきた
爆豪の記録は4.13秒、ナマエが勝ってしまったが故だろう

(これは仕方ないよねぇ…)

対して緑谷は個性を使っている様子が全く無く焦った表情をしていた

第2種目:握力測定

これはナマエの個性ではどうしようもなく28という結果で終わってしまった
中には540キロを叩き出す猛者もいてナマエは驚きを隠せなかった

第3種目:立ち幅跳び、第4種目:反復横跳びでは同じく風の個性を使い難なく高得点を叩き出していた

そして第5種目:ボール投げ

ナマエはボールを風に乗せ好記録

そして個性に無重力を持つ女の子が無限を叩き出した時、 緑谷の焦りは頂点に立ったように見えた
そして 緑谷の一投目は46m
絶望に満ちた 緑谷の顔

「見たところ…個性を制御出来ないんだろ?また行動不能になって誰かに救けてもらうつもりだったか?」

相澤の厳しい一言に 緑谷は打ちひしがれ俯き考えた
それを見ていたナマエが思わず声をかける


「…出久くん」

返事がない、まるで放心状態だ
これまでの記録は全て無個性の時そのもの

「出久くん!」

「アッ…ナマエちゃん…」

「…出久くんこのままじゃ最下位だよ」

ナマエの言葉に 緑谷は俯いた、心なしか顔色も悪い

「出久くん、個性出たんだよね?…ヒーロー、なりたいんだよね?」

くっと息を呑み拳を震わせる緑谷、それでも彼は何も言わなかった、いや言えなかった

「今出久くんが出来る事を、思いっきりやろうよ」

「僕が…出来る最大の…思いっきり…」

緑谷がそう呟くともう一度ボールを握りしめ2投目を振りかぶって 投げた

瞬間ボールは超スピードを得て飛んで行った
記録は705.3m好記録だ
そして緑谷は相澤の方を向き言った

「まだ……動けます!」






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