小説 | ナノ

 6話




ベルの音が鳴り止むと同時にヒゲが特徴的な男性が受験者達の前に立ち注目を浴びる

「ただ今をもって、受付時間を終了いたします。…ではこれよりハンター試験を開始いたします」

こちらへどうぞ、と男性は歩き始めた
どうやらこの男性が案内役の様だ

「さて、一応確認いたしますがハンター試験は大変厳しいものもあり運が悪かったり実力が乏しかったりするとゲガをしたり死んだりします。それでも構わない…と言う方のみ付いて来てください」

男性を筆頭に歩き出した受験者は誰1人として歩く事をやめなかった

(大丈夫かな…)

少し恐ろしい忠告にナマエは少したじろぐがゼンと暮らした島を出る時「ナマエは良いハンターになる。実力も十分じゃ」と言われた事を胸に足を進めた

「…承知しました。第1次試験405名全員参加ですね」

その言葉を合図かのように案内役の男性が歩くスピードをぐんと上げた
それは一般受験者では走らないと付いていけない程の速さであったが、男性はまるで歩いているかのような速度に見える

「申し遅れましたが私、1次試験担当官のサトツと申します。これより皆様を2次試験会場へ案内いたします」


(なるほど。サトツさんってハンターなのか、それで2次試験会場まで付いていく事が試験内容…!)

ゼンと過ごした5年の修行の日々で体力には自信があるナマエはこれなら行けそうだと微笑んだ

「おい!ガキ!汚ねーぞ!そりゃ反則じゃねーか!オイ!!」

突然後ろから男性の怒鳴り声が響きナマエはビクリと肩を上げ後ろを見るとキルアと男性が言い争っているのを目にした
キルアに対し「反則だ」と批判するのに対しナマエと同い年ぐらいの少年が「違うよ、試験管は付いて来いって言っただけだもんね」とキルアを庇った

(私と同い年ぐらいの子、またいた)

大柄なおじさんばかりだと思っていたナマエだが少年を2人も見つけ少し試験が楽しくなって来ていた

「あっナマエー!」

「ひぇ!?…キ、キルア」

考え事をしていると後ろからキルアに声をかけられるとキルアに抗議していた男性が「仲間か!?」とこちらをギロリと見る

(ま、巻き込まないで〜…)

「ナマエこんな所に居たのかよ…やっぱオレも走ろっと」

ナマエの心の声は届かずキルアはスケボーを蹴り上げて降り他の受験者同様に走り出した
そしていつの間にかキルアはナマエの隣に立っておりそのまた横には先程キルアを庇っていた少年がいた

「オレキルア」

「オレはゴン!…君は?」

「ナマエ…です!」

なんだか真っ直ぐな少年、ゴンとの出会いだった

「オッサンの名前は?」

キルアは後ろを振り返り先程抗議していた男性を見る

「オッサ…これでもお前らと同じ10代なんだぞオレはよ!!」

「「「ウソォ!?」」」

(あっしまった。心の声が出ちゃった)

ゴン、キルア、ナマエの3人は声を揃えた
男性の名前はレオリオと言うらしい
そして10代発言を聞いてから離れていったもう1人のゴンの仲間はクラピカと言うらしい

試験に来たのに話し相手、それも同い年ぐらいの人達が出来てナマエの緊張感は下がっていった







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