◎ 4話
修行の日々が続き、ナマエがゼンと出会い5年が経った
ナマエは12歳になっていた
身長も大きくなり150センチを越した
2人が出会いちょうど5年目の日ナマエはゼンに呼び出された
「大切な話ってなに?ゼンさん」
「ナマエ、順番は少し違うが裏ハンター試験、合格じゃ」
「裏ハンター試験?」
「そうじゃ、この世界には“ハンター”と呼ばれる奴らがいる。珍獣、財宝、魔境。未知という物に見せられた者達じゃ」
「珍獣に財宝に魔境…どれも私が知らない世界だ」
「そしてその者達は必然として力を持っておる。ナマエはその力を持つに値する、むしろその紺碧の瞳を守るためには力が必要じゃ」
「守る…力…」
「そして力を保持する者は必ずと言ってハンターの資格を持っておる。ナマエはその表のハンター試験に合格してハンターライセンスを取得してくるのじゃ」
もちろんわしも持っておるぞ。と付け加えるゼン
裏ハンター試験、所謂念能力の取得を成したナマエは表のハンター試験に行くように勧められた
「で、でも私…ゼンさんがいない街にも国にも行ったことないよ…」
未知なる物に興味はあれどまだ心は12歳、ゼンと出会ってからは離れたこともないナマエに取ってゼンとの別れとは世界と別れを告げるかのような感覚である
「…ナマエ、世界を…見てみたくないか?」
「…世界…」
「世の中にはナマエと同じ年の子も居るじゃろう、仲間や友人も出来る。そしてナマエはこの国を、世界を知らなさすぎるのじゃ。それはわしから見ればとても勿体の無い事なんじゃよ」
仲間、友達、世界、どれもナマエの背を押すには十分すぎる言葉だった
「…わかった。私、行くよゼンさん」
「よし!流石わしの弟子じゃ…ではここでナマエに試練を1つ言い渡す」
「試練?」
「表のハンター試験に置いて念能力を禁じる」
そう言うとゼンはナマエの腕にミサンガの様な形の物を巻いた
「これは何?」
「これは念能力を発すれば千切れる様になっておる。表のハンター試験を念能力無しで合格するぐらいで無いとこの先やっていけんからの。これが試練じゃ」
ホッホッと笑みを浮かべるゼンにナマエは強く頷いた
「やってみせるよゼンさん!そしてハンターライセンスを持ってくる!」
「うむ、楽しみにしとるぞ」
そしてナマエはゼンのいる国を出た
ここから少女の物語が始まる
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