小説 | ナノ

 14話

中学3年になったナマエは日課として個性の訓練をしていた
勉強は問題ない、問題は体力と個性だった

3年生になってから朝晩のランニングは欠かさないおかげで持久力は上がって来ている

個性が1番の難関で個性発現が人より遅かったせいか上手くコントロールが出来ない
1番得意なのは初めて使った“風”の個性“シルフ”だが雄英は難関と聞く簡単な操作しかできないままじゃ合格は難しいだろう

そして不思議なことに精神を集中させて知りたいことを考えると頭の中で言葉が返ってくる
ナマエの個性、精霊達は主に地、水、風、火の四大元素が使えるようなのだが風以外はうまく扱えていない

(火や水が使えたらもっと戦力になれそうなのになぁ)

あ、とナマエは1人の男の子を思い浮かべる

「焦凍くん!おはよう!突然なんだけど個性について教えてほしいの!」

善は急げ、朝開口一番に轟に勢いよく話しかけるナマエに少し驚いて「どうした?」と返答する
ここ約半年で2人は確実に友達と呼べる類になり運もよく3年に上がってからも同じクラスであった

「焦凍くんって炎と氷を扱う個性だよね?私も火を操れるみたいなんだけど、上手く扱えなくって…よかったらコツ?とか教えてくれないかな?」

「ナマエも火を…」

そういえばナマエの個性をしっかり聞いたことがないな、と轟は意外な共通点に驚きと少し喜びを感じていた。しかし、

「…確かに俺の個性は炎と氷だ。…でも俺は炎を使わねぇって決めてんだ。悪りぃな」

ナマエには申し訳ないが炎は使わずに生きていくと決めた轟にとって炎の事で教えれる事はなかった
顔を曇らせる轟と対照的にナマエは明るい顔で答えた


「そうなんだ…うーん、じゃあ氷の方で出力とか、扱い方とかなんでもいいから教えてほしい!」

どこまでも真っ直ぐなナマエが眩しくて上手く顔が見れない
でも何か手伝える事があるなら助けたいと思わず思ってしまう何かをナマエは持っていて轟はそこに惹かれていた


「お、おう。それなら俺も協力できるかもしれねぇ。放課後、空いてるか?」

「え?空いてるけど…」

「口で説明すんのは難しい、放課後裏庭で俺のできる範囲で教える」

轟からの言葉を聞いたナマエはやったー!と飛び上がるように喜び「放課後が楽しみ!」と自分の席に戻っていった






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