小説 | ナノ

 13話


立ち止まった轟を不思議に思ってナマエは「轟くん?」と声をかける

「ミョウジは…高校どうすんだ?」

「高校?私、雄英目指してるよ!」

驚いた顔で轟がナマエを見て数回瞬きする

「奇遇だな…俺もだ」

「え!?本当?じゃあ高校も一緒なんだね、嬉しいよ」

「お前も受かる前提かよ」

フッと笑う轟に「頑張るもん!」と意気込みを伝えるナマエ

「そういえば名前、ナマエって呼んでほしいな」

「…そうか…なら俺も焦凍でいい。苗字はなんか、嫌なんだ」

「…ちなみに理由は聞いてもいい?」

言いたく無かったら全然いいんだよ、と言うナマエの言葉を遮って轟は小さく呟く


「親父と…仲悪いんだ」

「お父さんと…そうなんだ、ごめんね無神経に聞いちゃった。」

ごめんね、と謝られた事に対して不快感は無かったが(こいつ本当に俺の親父を知らねぇのか)と確信付いた時、なぜか轟は嬉しく思った

色眼鏡なく接してくれるような、友達と言える関係になれた気がした

雄英志望だと言うからにはエンデヴァーの名前を出せばこの関係は崩れてしまうのか、と少し怖かったのが本心だ

「教室着いたぞ、ナマエ」

「ありがとう、焦凍くん」

ー 凝山中学校で初めて友達ができたよ、勝己くん。

今は会えない爆豪を思い今度手紙でも出そうかな、なんて考えていた






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