◎ 13話
立ち止まった轟を不思議に思ってナマエは「轟くん?」と声をかける
「ミョウジは…高校どうすんだ?」
「高校?私、雄英目指してるよ!」
驚いた顔で轟がナマエを見て数回瞬きする
「奇遇だな…俺もだ」
「え!?本当?じゃあ高校も一緒なんだね、嬉しいよ」
「お前も受かる前提かよ」
フッと笑う轟に「頑張るもん!」と意気込みを伝えるナマエ
「そういえば名前、ナマエって呼んでほしいな」
「…そうか…なら俺も焦凍でいい。苗字はなんか、嫌なんだ」
「…ちなみに理由は聞いてもいい?」
言いたく無かったら全然いいんだよ、と言うナマエの言葉を遮って轟は小さく呟く
「親父と…仲悪いんだ」
「お父さんと…そうなんだ、ごめんね無神経に聞いちゃった。」
ごめんね、と謝られた事に対して不快感は無かったが(こいつ本当に俺の親父を知らねぇのか)と確信付いた時、なぜか轟は嬉しく思った
色眼鏡なく接してくれるような、友達と言える関係になれた気がした
雄英志望だと言うからにはエンデヴァーの名前を出せばこの関係は崩れてしまうのか、と少し怖かったのが本心だ
「教室着いたぞ、ナマエ」
「ありがとう、焦凍くん」
ー 凝山中学校で初めて友達ができたよ、勝己くん。
今は会えない爆豪を思い今度手紙でも出そうかな、なんて考えていた
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