◎ 11話
先週、爆豪に初めて転校の話を切り出した後から 緑谷やクラスの友達にもなんとか話ができたナマエ
緑谷に至ってはナマエ本人より泣きじゃくり涙が噴水のように勢いがつき止まらなかった
「でもね出久くん!勝己くんが雄英で待ってるって言ってくれたの!」
「ゆ、雄英ってあのヒーロー高校!?かっちゃんが!?」
ズビっと鼻水を啜りながらナマエの口から出た“雄英”に強く反応する緑谷
少し間を置いて 緑谷が「わ、笑わないで聞いてくれる…?」なんて言うものだからナマエは「出久くんが真剣に話す事で笑ったことなんてないよ」と返すと 緑谷は少し視線を泳がせながらも呟く
「実はまだ誰にも言ってないけど…僕も雄英…目指してるんだ…」
無個性のくせに、と言うセリフは聞き飽きた 緑谷がナマエに告げた新事実にナマエは目を見開いた
「じゃあ出久くんとも雄英で会えるって事だね!…すっごく嬉しい!」
何を言われるか不安だった緑谷がナマエの言葉にハッと顔を上げて嬉しさのあまり震えた
ー それはつまり…僕が雄英に受かるって信じてくれてるんだ…
そして 緑谷とも雄英での再会を誓ったナマエは折寺中学校に別れを告げた
そして数日後、ナマエの目の前には見慣れない校舎
今日から通う凝山中学校の正門の前にいた
着慣れないセーラー服に身を包み新しい学校生活に不安と期待で胸が忙しい
しかしそれよりもナマエの心を締めていたのは個性を伸ばし雄英に合格する事であった
そんな事を考えていると新しいクラスの扉の前に着いてしまう
このクラスの担任の先生が入った後にクラスに入ると生徒達がワッと声を上げる
「女の子だ!」「可愛い!」「どこから来たんだろ〜」などたくさんの声が飛び交い緊張で目が回りそうになる
簡単な自己紹介を済ませて先生に席を指示され大人しく座ると隣の席の男の子と目があった
「よ、よろしくね…?」
「…おう」
片側は赤髪で片側は白髪という独特な髪型をした少年はぶっきらぼうに挨拶を返し前を向きなおした
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