小説 | ナノ

 9話


小学校の6年間なんてあっという間で、ナマエは中学生になって2度目の桜を眺めていた

爆豪との関係は相変わらずなところ、学内では爆豪と唯一仲良くしている女子だと少し有名だ
しかしナマエは爆豪と同じクラスになった事がない
それを残念だと思いつつも変わった事が1つ

「ナマエちゃーん!おはよう!」

「あ!出久くん!おはよ〜」

緑谷とは爆豪伝いに知り合ってから随分と仲良くなった
中学2年にして未だに個性がない所謂“無個性”な 緑谷に分け隔てなく接するナマエは 緑谷にとって嬉しくもあり、小学4年生にして個性を開花させたナマエは 緑谷の希望でもあった

「出久くんはいいなぁ〜勝己くんとまた同じクラスじゃん!」

「いっいやぁ…僕的には嬉しくない…いや、な、なんでもない…」

いつも通り早口で語尾が小さくなっていく 緑谷に「出久くんは相変わらず勝己くんのこと苦手なんだねぇ」と笑うナマエ

「でも出久くんも大きくなったね!身長なんて小学生の頃そんなに変わらなかったのにこんなに大きくなっちゃって!」

「ひぇ!?そ、そりゃ僕だって男だし中学生でナマエちゃんに身長負けてちゃ悔しいよ」

「デクてめぇ…なにしてンだ」

他愛ない会話をしていると2人の背後から恐ろしい雰囲気を纏わせた爆豪が緑谷に話しかける
手のひらには小さな火花が飛んでいる
「かっかっちゃん!?」と慌てふためく 緑谷を他所にナマエはいつも通りの笑顔で爆豪に挨拶する

「おはよう!勝己くん!」

「…おう」

ナマエの意識が爆豪に向くと何事も無かったかのように 緑谷を軽く押し退けてナマエの隣に立つ


この時は、こんな日常が続くと信じていたナマエ





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