ウミ


「久しぶりぃ、ウミ」
汚い安っぽいラブホ。男はデリヘルのウミを気に入りお金が集まってはウミを呼び出していた。
というのもこの男、大量の借金を背負い本来ならウミを呼び出せるほどの金は一文もない。ところがどこからか金を持ってきてはウミを呼び出す。呼び出す場所はいつも東京都内のどこかで大体違う。
こくり、とウミは頷く。その頬を撫でる男は独特な匂いを放っている、がウミは言わない。
「会いたかったなぁ半年くらいか?お前の肌に触りたかった」
こくり、またウミは頷く。ベッドに座るウミのお腹あたりを抱えてその背中に顔を押し付けて男は大きく呼吸した。ひどく疲れを感じているようだった。
常に借金取りの悪そうな連中に追いかけ回され、駆けずり回る男の生きる糧はウミだった。無口で恥ずかしがり屋なウミ。深いことは聞かず、身体を貸してくれる存在。男にとってウミは癒しだ。
ウミにとっては、客にすぎないが。
「本当はお前を骨の髄まで味わって放してやりたくはなないが、時間がないしなぁ」
ウミはその言葉に羽織っていたバスローブをするりと脱いだ。その目に情欲の色がちろついた。

「ぁ、あっ…」
ウミは身体を撫で、施される愛撫に顔を赤くして喘いだ。
仰向けに寝転がる男の上に、足を男の頭側に向けて上に乗っかる。シックスナインの状態だった。
「物欲しげにヒクヒクしてるぞぉ」
「っ、ん、ぅ…っやぁ…ッ」
尻たぶを割り開かれその奥にあるアナルはもちろん既に準備されている。早く早くと急かすようにヒクつくアナルは餌を求める鯉のよう。
デリヘルという仕事柄、仕事の最中は裸のことがほとんどだがやはり普段隠されているところを見られるのは恥ずかしい。
「舐めながら、弄ってやるからなあ」
「あっ!…だ、めぇ…ッ」
あむ、とウミのペニスは咥えられる。ウミも男のペニスを咥えこむが、その異臭に微かに顔をしかめる。何日か洗っていないような匂いだったが、諦めてカリをちろりと舐める。
ぺろっぺろっちゅうぅ…
「ん、っふぅ…!」
唾液をペニス全体に絡めるウミは、目をうっとり蕩けさせている。その一方でペニスもアナルも痛いほど視線を感じ恥じらいに白い太ももが揺れる。
絶景に目を細め、幸せの時間を感じた男は柔らかな尻を撫で回す。既にウミのペニスはゆるく勃起して先走りまでこぼして泣いている。
「ぅんっぁ、……ぁ、あ」
奥の慎ましくピンクなアナルに、そっと指をつけるときゅっと尻に力が入る。
そのままずる、と潜り込ませると男の指を柔らかく温かいナカは歓迎するように蠢いた。
「ん、ぁ…んんんっ」
ぬぷっぬぷっずぶぶ…
「ぁ、あっ……あ、んぅッ、ぁ、あぁ…!」
掠れる切ない喘ぎ声。無遠慮にナカを犯す指をきゅうきゅう抱きしめてウミは震える。肉壁を指先が引っ掻くとたまらなかった。
じゅぶ、ぶじゅっという卑猥な音はウミを耳から犯していく。
「んーッ」
「美味しそうに俺の指食べてんぞぉ、ウミ。美味いか?」
「んぅッ…いじ、めなぃ…でっ」
肉壁を擦られ尻が自然と左右に揺れる。ウミは気付いたら男のペニスから口が離れ、頬に押し付けて男の身体にもたれ掛かる。
前立腺をこりこりと指で押され、ひくひくとペニスは震えている。男が更にそこを押し上げると、ウミの身体はがくがくと揺れて足の力がガクッと抜ける。
「んっ…ふ、ん、ぁっ!」
ガクッと抜けた力で、ウミの身体は崩れ落ちて男の顔に股間を押し付ける形になる。
男は餌に食いつくように、ウミの腰を抑えつけてアナルに舌を這わせる。
れろっれろっぢゅうううぅ…っ
「ふっ、ぁ、んーっ…ぁんっ」
逃れようがない身体に喘ぐことしか出来ない。びくびく震える腰に男の責め技は止まらず、ぬちょりと音を立てて男の舌がアナルに潜り込む。
(恥ずかしぃっ…)
濡れそぼったアナルからいやらしい音がぐちょぐちょと聞こえる。ウミは顔も耳も、身体も真っ赤になっていた。
「ゃ、だ…ん、んんぅ〜ッ」
悶える身体が快感を逃がそうと思っても動かすことすらままならない。目の前にあるペニスすら舐めることも出来ずひたすらビクッビクッと震えた。
「うめぇなァ、甘い酒が…んぢゅっ…出てきてんぞぉ」
「…んぅっ…!」
ふるふると揺れるウミの頭。ばたばたと手足は動くが男は抱きしめるようにウミの腰を抱えて思い切りアナルを吸い上げる。
「ぁ、あ、…ーーーーッ!」
男との間にあるウミのペニスが擦れたのもあり、ウミは絶頂した。

「今度はここをちんぽで堪能させてくれ」
男はそう言ってウミのアナルへ挿入した。
ウミの身体を抱え上げて壁に押し付け、男は息を荒くさせて何度もウミにキスをする。
男にとって明日があるかも分からない今、ウミとセックスをする度に最後かと思う。その度にその身体を脳裏に焼き付けながらセックスをしていた。
れろ、れろと舌を差し込んでウミの舌と絡ませる。ぬちゅっぬちょっという音すらウミを恥ずかしくさせる。
「んむぅ、っ…ふ、ぅ」
じゅぷっずぶっぬぷぷぷ…っ
「ぁ、んっ…あ、ァ……っ!」
自重で奥にずっぷりハマりウミの足はピンと張って爪先は宙へ揺れる。
「あ、ぁんっ…ふっんぅう…ッ」
抑えたい声も抑えきれず、自分の喘ぐ声にウミは耳を塞ぎたかった。
「ぁ、ぁ…んむぅ、んっんぅ……ひ、ぁっ」
「ぢゅるっ…アー、くそっ」
「ん、んん」
ウミの唇をべちょべちょに舐めると男は悪態をついて、ウミの身体を抱え直す。更に奥まで潜り込んだ男のペニスにウミは頭を壁に擦り付けて仰け反った。
ぐりぐりと前立腺を抉るペニスは長らく欲求不満でバキバキになっていた。
じゅぶっずぼっじゅぶぶふっ
「あんっ、ふ、っあ!」
「ウミっ……」
「ぁーっ、あっ!……あぁああ…ッ」
ばちゅんっばちゅんっと激しい音を立てて打ち付けられるペニス。ウミのペニスはその振動にぷるんぷるんと震えている。
ウミはそのペニスを掴むと扱きあげる。感じまくるウミはきゅうきゅう男のペニスをアナルで締め付けた。
ウミのぬれぬれのアナルをかき混ぜる男は締め付けに唸り、更にペニスを押し付ける。
「ひ、ぁんっ…きもち、ぃ…けつ、まんこ、とろけてぅ…っ」
「えろすぎるだろ…っ」
「いっ、あ、ぁ…イっちゃうぅ…ッ」
普段は無口なウミ。えっちになりはじめると途端に饒舌になり、恥ずかしいのに感じまくるところがあった。
「ウミっウミ、!」
じゅぽっじゅぽっじゅぶっずぶっ!
「ぁんっあんっ、ああっだ、めっおくぅ…ッおかし、くなっちゃうぅ…っ!」
びくびく。震えるウミの身体は縋り付くように男の身体に絡ませる。しっとりした肌がくっつき合って擦れ合って。比例するようにウミはいやらしい気持ちになる。
「あぁんっ…」
「ウミぃ、もうイっちまう…っ!」
「ぁ、あっごりごりっ…ちんぽ、ナカぁ…ッ!」
ずぼずぼずぼずぼッ…
激しい腰使いにウミもアナルを締め付けて、自分のペニスを扱く。先走りがアナルまで伝い糸を引いて泡立っていた。
「ぁ、あっやぁんっ!…ああッ!あ、あ、ーーーーーッ!」
びくっと震えたウミの身体は、何度か痙攣を続けた。吹き出した汗がぽたぽたと垂れていた。

「あの男、先日新宿のラブホに入っていったのを見たやつがいるそうですぜ」
暗室。スーツを着た男とソファに座り込んでタバコを吸う男。
スーツケースの中に入った大金を眺めながら、タバコを吸う男は低く笑う。
「ちょこまかと自由にさせてないでさっさと捕まえて引き摺り出してこい。ちゃんと生きて連れて来いよ。じゃなきゃ売れねえからなァ」
「はぁ、どうせ金もねえでしょう」
「借りたもんはきっちり返すのは当たり前だからなァ」
白煙はゆるゆると暗闇に浮かび、亡霊のように消えていった。




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