今現在、私は絶体絶命の危機的状況下にいた。本当に大ピンチ。いや、もう終わったも同然の、本当に本当に最悪の状況にいた。
「それ、なまえちゃんのなん?」 「え゛っ、や、その・・・」
それ、というのは、私の鞄の中から落としてしまって、今私が大急ぎで掴んで握りしめているもの。つまり私のじゃないって言い訳はあんまり通用しなさそうな状況にあるものだった。実際私のだし。本当になんで、なんでスクバの中に入れちゃってるんだ。昨夜の私はどんな寝ぼけ方をしたのだろう。頭を抱えたくなるが、今はこの場をどうにかするかが先決だ。 忍足先輩に憧れて、男子テニス部のマネージャーになって一年半。なかなかの奥手の私ではあるけれど、私なりに忍足先輩の役に立てるように頑張ってきた。挨拶だって勇気を出して毎日して、チャンスを見つけてはお話しに行って、本当に少しずつだけど忍足先輩に近付けるように頑張ってきた。こんなところで、その努力を無駄にしてしまうわけにはいかないのだ。 鞄から落としてしまったもの。それは、きっと昨夜なんらかの間違いで鞄に入れてしまった、ピンク色のローターである。部活が終わって、溜まった仕事を一気に片付けたらもう殆どの部員が帰ってしまっていて、それなのに忍足先輩だけが残っていた。二人きりの部室で、ドキドキしながら会話をしているところで、誤って鞄の中から落っことしてしまったのだ。本当に運が悪いなんてもんじゃない。焦ってローターを引っ掴んで忍足先輩に背を向けるが、ここからの言い訳が思い付かない。本当にやばい、忍足先輩に‘学校にローターを持ってきている変態な後輩’なんて思われるの、絶対に嫌だ。大混乱で目をぱちくりとさせていると、忍足先輩が口を開いた。
「なまえちゃん、耳まで真っ赤やで。」 「ひゃ、え、えっと、その」 「ん? 耳弱いん?」
忍足先輩が背後から近づいて来て、耳元でわざと話しかけてくる。近い、近い近い近い。忍足先輩の吐息が耳元で感じられて、心臓が破裂しそうになる。声を出すこともままならなくて、こくこくと頷くと、忍足先輩は私の腰辺りに手を回して身体を寄せてきた。嘘、これって、抱き寄せられてる。
「わたわたして顔真っ赤にして、なまえちゃんは可愛えなぁ。」 「か、からかわないでくださいよぉ・・・っ」 「ホンマやって。こないに可愛えなまえちゃんは学校にこないなもん持ってきて、何しとったんやろなぁ」 「ひゃっ!」
忍足先輩はわたしがローターを握り締めてる手を上から握ってきて、にやりと笑いながら耳元で囁いてくる。可愛いとか、からかわれるのは前からあったけれど、こんな言い方されたら堪らない。どんどん頭の中がパニックになって、混乱で涙目になってしまう。
「いけない子やなぁ、学校にこないなもん持ってきて。校内でこっそり使ってたん?」 「つ、使ってないですっ! その、間違って、持って来ちゃった、だけで」 「へぇ、じゃあいつも家で使てるんやな。これ使てなにするん?」
忍足先輩の片腕でがっつりと抱きとめられて、もう片方の手で後頭部を支えられ忍足先輩のほうに顔を向けさせられた。眼鏡越しに視線ががっちり合って、ドキドキが止まらなくなる。
「それは、その・・・」 「その、何? 俺にもわかるように言うて欲しいわ」
意地悪く笑う忍足先輩は、優しく私の髪を撫でて、毛先をすくい取って口付ける。全身真っ赤になっちゃいそうで、足も震えてきた。きっと、言わないと解放してくれないのだろう。口に出して恥ずかしいことを言わなきゃいけないのが耐えられなくて、俯いてしまう。出そうにもうまく出せない声で、恥ずかしさで泣きそうになりながら答えた。
「お家で、その・・・一人で、してました・・・」 「一人で、何を・・・?」 「えと、その・・・えっちな、こと」
消え入りそうな声でそう答えると、忍足先輩はぷっと吹き出して、私の体を離す。忍足先輩は口元に手を当てながら、笑っていた。
「何で笑うんですかぁ・・・」 「すまんすまん。なまえちゃんが可愛くてつい、な。そうか、これでえっちなことしてたんやなぁ」 「うっ・・・も、もうその話いいじゃないですかぁ・・・っ! もう帰りましょうよ!」 「まぁ待ちや。折角なんやから」
恥ずかしくなってその場を離れようとした私の手を、忍足先輩は掴んで制止した。掴まれた部分が熱くなるような気がして、ぎゅっと心が掴まれる感じがした。動けなくなってしまった私をぐいっと引き寄せて、部室内にあるソファに座らせた。私の両手の甲に手を置いて、そっと撫でてくる。
「これ、いつもどうやって使ってるん・・・?」 「そ、それはその・・・なんていうか・・・」 「折角二人きりなんやし、使い方教えてぇや・・・」
こんなこと、他の連中に知られたないやろ? そう付け足して耳元で囁いてくる。忍足先輩の低くて甘い声に、私はすっかり酔わされてしまっている。いつもと同じ部室のはずなのに、なんだかいやらしい雰囲気が漂って、それがさらにドキドキする。どうしようもなく興奮を覚えてしまっている私を嫌でも実感して、自分のはしたなさを恥ずかしく思う。でも、体の奥がきゅんと疼くのを、気のせいにはできなかった。
ヴヴヴヴヴ・・・と機械的な振動音が鳴り響き、いつもしている時のことを思い出して顔が赤くなる。忍足先輩は私の正面のソファに座って、足を組んでこちらを眺めている。長くて程よく筋肉のついた足が組まれているのが様になっていて、かっこいいなぁ、なんて素直に思ってしまう。 私はというと、足をもじもじと擦り合わせながら、震えるローターを持っている。なんなんだろうこの状況。これからすることを考えると本当に羞恥で消えてしまいたくなる。
「ほ、本当にやらなきゃだめ、ですか・・・?」 「だめ。ええってさっき頷いたばっかりやろ。」
忍足先輩は、とてもこの場を見逃してくれるような雰囲気ではなかった。本当に、やるしかないみたい。観念して、私はローターを持った手をそっと制服のシャツ越しに胸元へと当てた。
「っ・・・」
振動が胸元に響いて、きゅん、と身体が疼くのがわかる。先端部分をくりくりとローターでいじるけど、服の上からじゃ物足りない。私はワイシャツのボタンを少し開けて、中に手を突っ込んだ。硬くなりだしていた乳首にローターを押し当てるとぶるっと身体が跳ねた。甘い痺れが全身をじんわりと駆け巡るのを感じて、息が上がってしまう。忍足先輩の方を見ると、ばっちり視線が合って、ますます恥ずかしさが増す。見られてる、いけないことしてる私のこと、忍足先輩に見られてる。
「可愛えなぁ、なまえちゃん。乳首気持ちええの?」 「っ、気持ちいい、ですぅ・・・やあ、先輩っ!」 「隠すことないやろ? なまえちゃんの可愛えトコ、俺に全部見せてな」
先輩は私のネクタイを解くと、ワイシャツの残りのボタンも外し始めた。抵抗しようとしたけれど、思いっきり前を開かされてしまって、ブラのホックも外された。紐が肩から落ちて、おっぱいが零れ落ちる。忍足先輩の視線に当たるだけで、身体が熱くなりそうだった。
「やだぁ先輩、見ちゃいやです・・・っ」 「なまえちゃん、乳首もう勃っとるやん。ピンク色して可愛えなぁ、食べてくださいって言うてるみたいや」
先輩に乳首をまじまじと見られて、恥ずかしさで顔から火が出そう。先輩がおっぱいに顔を近づけて喋るから、ローターを当ててない乳首に先輩の息がかかる。先輩に舐めて欲しい、気持ちよくされたい、なんてえっちな欲求が湧いて出て、言えないでいると、突然先輩がその乳首に吸い付いてきた。
「っひゃああ! せ、先輩っ」 「ちゅ、ちゅぷっ、めっちゃコリコリしとるなぁ、そない嬉しそうな顔して、やらしいなぁ、ちゅ」 「ちが、ひゃうぅ、らめ、先輩っ」
ペロペロと乳首を舐められたと思ったら、くにゅ、と乳首を甘噛みされて、身体が跳ねる。忍足先輩が口を離すと、先輩の唾液の糸が私の乳首に繋がっていて、淫美に光った。
「そろそろ下も触りたいんとちゃう? さっきから足もじもじさせとるけど」 「っ・・・」
忍足先輩はまた向かいに座りなおすと、私のふくらはぎをすっと撫でた。乳首をいじったのと、忍足先輩に舐められたのと、見られているので、身体はすっかり興奮してしまっている。触らなくても、おまんこが濡れてしまっているのがわかった。 私はそっとスカートの中にローターを持った手を差し入れると、「ちゃんと足開いてスカートん中見せて」って忍足先輩に言われて、言われるがままスカートを捲り上げ、足を開く。びっしょりと濡れたショーツを忍足先輩に見せつける体制になって、恥ずかしくて涙が滲みそうになる。恥ずかしくて堪らないのに、この状況に興奮しているのも事実で。私はショーツ越しにクリトリスにローターを押し当てた。
「っひゃ、あぁっ・・・はぁ、っ」 「なまえちゃん、もうかなりびっしょり濡れとるなぁ・・・そないに興奮しとるん」 「んぅっ、違い、ますぅ・・・っはぁ、」 「違うならそのまんこどないしてん。めっちゃやらしい汁垂れてんで」
忍足先輩から吐かれるいやらしい言葉と、色っぽい声が、ますます身体の奥を疼かせた。ローターをショーツの中に入れて直接クリトリスに押し当て、ローターの振動強度を上げた。トロトロとおまんこから液体が流れ出て、気持ち良さに身体をよじらせる。
「はあ、あんっ先輩、おしたり、せんぱいぃっ」
堪らず先輩の名前を呼んでしまう。いつも一人でしてる時みたいに、先輩のことを。こんなえっちなところ、他でもない先輩に見られている。見ないでほしいって気持ちと、見てほしいって気持ちでぐちゃぐちゃになる。
「っなまえちゃん、めっちゃやらしいなぁ・・・いつもそんな風にしとるん?」 「ひゃ、はいぃっ、っあん、いっつも、気持ちく、なっちゃって、ますぅっ」
先輩に恥ずかしいことを言わされること自体、もう興奮材料になっていた。すっかりえっちな気分に溶かされてしまっている。 恥ずかしさで視線を下げると、忍足先輩のおちんぽに目がいく。制服の上からでもわかっちゃうくらい張り詰めているのがわかって、ドキッとする。意識してしまうともう目が離せなくなっちゃって、すぐに見ていることを忍足先輩に気づかれる。先輩はこれ見よがしにホックを外し、チャックを下ろす。おちんぽを取り出して、自分で扱いて見せてきた。
「あ、ぁあっ先輩、っおっきぃ・・・っ」 「なまえちゃんのえっちな姿見とったら、こないになってもうたわ」 「ひう、っああ、先輩ぃ、もう、イっちゃいそぉ、っ」 「ええで? なまえちゃんがイくとこ、俺に見せてな?」 「ああぁん、っらめ、イっちゃう、ああああぁっ!」
ビクビクっ!! 身体が大きく跳ねて、ローターを押し当てていた手がショーツの中から引き抜いた。イったばかりでビクビクする身体を抑えようと、大きく息をする。すると先輩は私のショーツに手をかけて、あっさりと足から引き抜いてしまう。大きく足を開かされて、イったばかりのおまんこが忍足先輩の前に晒される。
「や、やだぁっ!」
恥ずかしさで思わずおまんこを手で隠すと、あっさりと退かされる。私の恥ずかしいとこ、忍足先輩に見られてる・・・っ! 忍足先輩はくすりと笑い、私の隣に座りなおした。
「なまえちゃんのまんこ、ほんまにトロトロやなぁ。ピクピクしとって、俺んこと誘っとるみたいやわ」 「ち、ちがいます・・・っひゃあ」 「ナカも気持ちよくなりたいんちゃう? 指入れへんの?」
おまんこの表面を指で霞められて、敏感に身体が震える。忍足先輩は耳元で囁きながら、耳朶をねっとりと舐めてきた。身体がぶるっと震える。先輩からの問いかけに、恥ずかしいけれど、熱に浮かされて口を開く。
「入れたこと、ないんですぅ・・・っ」 「え?」 「だ、だからぁ・・・っクリちゃんしか、・・・ナカ、入れるの怖くて・・・っ」
忍足先輩はぽかん、とした表情で私を見る。そりゃそうだよね、こんなことしてるような子が、入れたことないなんて、おかしいよね。恥ずかしさがどんどんこみ上げてきて、涙が滲む。忍足先輩に何言ってるんだろう、私。 色んな感情でぐちゃぐちゃになっている私を、忍足先輩は抱き寄せて、おまんこに手を添えてきた。
「せやったら、俺が教えたるわ」 「ふえ、っひゃあぁっ」 「何も怖いことなんてあらへんから、な? もっと気持ちよくなりたいやろ?」
耳元でそう甘く囁きながら、私のおまんこに指を一本、ゆっくりと挿入してきた。私とは違う、長くて角張った忍足先輩の指。ナカにゆっくりと侵入してくる異物感にビクビクしつつ、それが快感にも思えて、思わず忍足先輩のワイシャツの裾をぎゅっと掴んだ。先輩の指が根元まですっぽり入ると、ゆっくりとナカでその指が動き始める。
「っああぁ、ナカ、動いてるぅっ、先輩の、っ」 「なまえちゃんのナカ、ぎゅうぎゅうに締め付けてくるで・・・? 俺の指、離してくれへんなぁ」 「っひゃ、まだ、まだ二本目ダメ、っひゃああっ」
入った指を動かしながら、二本目の指を挿入してくる。ナカを広げるように動く二本の指に、甘くとろけさせられちゃいそうだった。おまんこのナカをゆっくりとこすられて、甘い痺れが身体を駆け巡る。
「ナカ、擦られるん気持ちええやろ?」 「っあぅ、気持ちぃ、れすうぅっひゃあぁあんっ」 「ココ、ええの? いっぱい触ったろな」
忍足先輩の指がイイところに擦れて、それに気がついた先輩はそこを重点的に攻めてくる。気持ちよすぎて、もう何も考えられなかった。続いて三本目の指もゆっくりと挿入されて、ナカをバラバラに広げるように動かされた。
「先輩ぃ、っおしたりせんぱぃ、っもうだめ、っ」 「イきそうなん? せやったら、イかしたろな」 「っひゃあぁあだめぇぇえ激しすぎゆうううっ!!」
忍足先輩の指が急に早く激しく抜き差しされる。溢れ出る愛液の音が響いて耳につく。
「らめイく、イくイくぅううっ!!」
ビクッぷしゅぅぅっ!! 忍足先輩の指が引き抜かれ、液体を溢れ出させながらまたイってしまった。息も絶え絶えに忍足先輩の方を見ると、目があった瞬間ソファに押し倒される。膝を私の方へと倒して、おまんこに忍足先輩のおちんぽがあてがわれているのがわかった。固いおちんぽの感覚にドキッとする。
「せんぱ、らめ、ダメですよぉ・・・っ」 「なまえちゃんのまんこ、めっちゃ吸い付いてくるで? 可愛えなぁ」 「ひゃ、らめ、ナカはダメぇ・・・っ」 「大丈夫やって、擦るだけやから・・・」
忍足先輩はそう言うと、腰を前後に動かしながら私のおまんこにおちんぽを擦り合わせる。もどかしいような刺激に、時折おちんぽの先端がクリちゃんに当たって体が跳ねる。おまんこからあふれた液体がおちんぽを滑らせて、滑る感覚におまんこの奥がきゅんきゅんする。ぬるぬるとした感触が気持ちよくて、無意識に腰を揺らしてしまっていた。擦れるのが気持ちよくて、忍足先輩のおちんぽのことしか考えられなくなる。
「はぁ、せんぱぁい・・・っひゃぁ、っ」 「可愛えなぁ、なまえちゃん・・・」 「はぁ・・・っひゃ、あああああぁっ!」 「ほんまに、可愛え」
じゅぷんっ! ずっとおまんこにこすり合わされていたおちんぽが、急におまんこの中に入りこんできた。突然すぎる衝撃と、さっきの指とは比べ物にならない質量に目がチカチカする。あまりの衝撃に口が開けっぱなしになって、大きく息をする。忍足先輩は私の腰を掴んで、ゆっくりと前後に動き始めた。
「らめ、先輩っダメぇっはいってる、はいっちゃってるぅぅつ!」 「っなまえちゃんナカ、めっちゃキツいで? っは、ヤバいわ、これ、っ」 「やあ、ああらめっ先輩ぃっはあぁっ」
ナカで忍足先輩のおちんぽが擦れて、気持ちよすぎて目が回りそう。ダメなことなのに、ダメって思ってるのに、快楽に溺れてしまっている。行き場をなくしてしまっていた両手を、忍足先輩が握ってくれた。そのまま両手を繋ぎながら、忍足先輩はおちんぽの動きを早める。
「っなまえちゃん、気持ちええ・・・? っあ」 「ひゃあぁっはあ、きもち、っあぅ、せんぱ、先輩ぃっ」 「俺も、気持ちええでっ、なまえちゃん、なまえちゃん・・・っ」
さっきまでの余裕そうな表情が、忍足先輩からすっかり消えていた。欲情してる、男の人の瞳。熱を含んだ声で名前呼ばれるのが嬉しくて、おまんこがきゅんきゅんした。ぎゅっと先輩の手を握る力を強めると、忍足先輩は激しく、優しく奥を突いてきた。
「っ先輩、先輩っ! もう無理ですぅっ、ひゃあぁあっ」 「なまえちゃん、っ俺ももう、ヤバいわ、っあぁ」 「あああぁあぁイく、イっちゃう、忍足先輩のおちんぽでっイっちゃあぁぁあっ!」 「っく、はぁ、っ」
ずちゅんっ! と忍足先輩のおちんぽが最奥を突いたと同時にイってしまった。忍足先輩もほぼ同時におちんぽを引き抜いて、私のお腹に射精した。私はお腹に熱いものを感じながら、意識をゆっくりと手放した。
ゆっくりと目を開くと、そこは元の部室だった。ソファに横になっていて、あのまま気を失ってしまったことに気がついた。それで、そのままソファに・・・でも、頭にソファでもクッションでもない感触があった。
「あ、気ぃついたん?」 「んぅ・・・わ、ひゃっ! せ、せんぱ、っ痛・・・」 「そんな慌てんでも。身体痛いやろ、無理せんとき」
目をさますと私は、ソファで忍足先輩の膝枕で横になっていたのだ。びっくりして慌てて身体を起こすと、腰に鈍痛。気を失う前の行為のことを思い出して、顔から火が出るんじゃないかってほど顔が熱くなった。
「もう遅なってもうたし、家まで送るわ。立てるか?」 「あ、は、はい、大丈夫です・・・」 「無理せんでええから、辛かったら言うんやで?」
忍足先輩は優しく私を立たせると、私の分の鞄も持ってくれた。制服とか、後処理とか、全部やってくれていたみたいで、部室はいつも通りの状態だった。あんなことした形跡なんて見当たらない。 部室から出ると、すっと私の腰に忍足先輩の腕が回された。ドキッとして忍足先輩の顔を見上げると、妖しく笑って、耳元に顔を近づけられる。
「めっちゃ可愛かったで? またよろしゅうな」 「〜〜〜〜〜〜っ!!」
くくっと喉で笑う忍足先輩。何も言い返せなくて、私は忍足先輩の胸板をコツンと叩くしかできなかった。
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