タイトルなんてなかった(麗ラス/ルドオン
業務時間外になりクーラーも切られた休憩室の机に突っ伏しながら、自分しか居ないのをいいことにうなり声を上げる。 「待ち時間ってやっぱ一番無駄な時間だろ……くそ…」 客には聞かせられない言葉ではあるが、実質本音だし本当のことだと思う。深いため息も一緒に吐き出しながら、沈黙を保つ仕事用の携帯電話をにらみつけた。 ここのところ、忙しい日が続いている。就職して3年目にもなればそれなりの仕事を抱えるのも道理ではあるし、それ自体は光栄なことだともきちんと理解している。が、客と接する機会が増えれば増えるほどストレスもたまるし、その上それを癒すものが家にあるのにその家にしばらく落ち着けていない以上、雀部のいまの心情はただひたすらに「かえりてえ」だった。 「あー……くっそ……」 会いたい、なんて。別に全く顔を合わせていないというわけじゃないのに、そう思う。話したいし、触れたい。考えると余計にしんどくなるのも判っているけれど、思わずには居られなかった。
おまけ 大さん上司とかでもおいしいなってだけの産物
「雀部くん?」 「っ!起きてます!」 「ああ、いや。疲れてるだろうから、良いよ」 「すみません…」 「しばらく立て込んだからねぇ…さすがに俺もしんどいよ」 「余裕そうに見えますけど…いや、お疲れ様です」 「うん、お互いお疲れ様。そうそう、これで今待ってる電話が来て問題なかったら、今日はもう帰って良いよ、って伝えに来たんだ」 「神か」 「えっ?」 「なんでもないですありがとうございます…!」 「最近ずっと帰りたいって言ってたもんねえ…」
お題: 「残業で会社にすし詰めになっててめっちゃ帰ってもうラスカーさんとイチャイチャしたい麗くんの死体」 でしたー
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