03

 翌日、眼を覚ましたら既に昼。澪が学校に連絡はしてくれていたので、そのまま休んだ、のだが。

夜、澪が結局襲ってきやがった。
「ちょ、昨日気絶したんだぜ?!労われよ!!」
「慧さん、散々寝たでしょ。昨日中途半端に放り出した責任、とってよね。」
 う……っ。
 確かに、多分澪は昨日かなりきつい状態で放り出されたはずだ。直前のオアズケはきついことくらい、俺だって一応男だし、わかる。
「いや、でもさぁ……!」
 既に半泣きの俺に、澪は笑いかけた。いぶかしむ俺。ニコニコ笑ったまま何も言わない。
 訊くのが怖い。が、黙っていてもやられるだけなのでここは訊く。
 いや、決して、理由が解らないのはもっと怖いだけだとか、そんなことは……すいませんでした、あります。
「なん、だよ……」
 あ、ちょっと声震えた。澪は、それを聞いて、余計楽しそうな笑みになる。
「……ッ、怖いぞ、お前。」
「……そう?慧さんが可愛いからつい♪」
「か、可愛いって何だよ!」
「そのままの意味だよ、怯えてる慧さん、可愛いv」
 ちゅ、と口付けられる。顔が熱い。振り回されっぱなしじゃないか畜生。


「と、いうわけで!」
「へっ?」
 言うが早いか澪は、またしても俺の腕を縛り上げた。しかも今度は背中側に。
「は……灰谷、さん……?」

「据え膳食わぬは武士の恥、だよね?」

「し……っ、知るかぁあぁあああぁぁあ!!」

「観念しなよ慧さん、もう抵抗とか無駄だから♪」
 そう言って澪は、ローションを取り出してくる。
「いや怖いんだよ!これ解け!」
 じたばたと抵抗するも、澪はいとも簡単にそれを押さえつけて、大分聞きたくないことを宣告した。
「ヤだよー。あ、そうだ、言っとくけど、今日は前、触ってあげないからね。」
「……ぇ?」
「後ろだけでイけるのか試そうと思って☆」
「いらねぇ!心の底からいらねぇよそんな実験!!」

「まぁまぁ、抵抗しないでねっ?」
 有無を言わさない笑顔で、澪は俺にそう言った。
「…………うぅ。」
 ヘタレが鬼畜に勝てるわけがない。そんなことを考えていたけど、ローションの冷たい感覚に我に返る。
「ん……ッ、」
 滑り込んでくる指の感覚に、身を捩った。
 慣れない。本当に慣れない……!
 探るように指を動かされて、異物感の中に快楽を探す。

「は、ぁ……、うぁっ!」
 急に指を曲げられて、声が漏れた。ぐりぐりと刺激されて、快楽が高まる。
「あ、ぅァ……っ!」
「ここ、良いんだっけ?前、もう結構勃ってるし。」
 含み笑いと、そんな台詞が耳に届いて。
「そゆこと、い、うな、ばか……っ、ひァ……ッぅ……!」
 ぐちゃぐちゃに掻きまわされて、快楽に呑まれそうになる。
 俺が身を捩る様子を楽しんでいるのか、上手く感じるところを外して刺激を続ける澪に、憎らしさが募った。


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