04
「んン……っ、は、ぅ……っ、」 理性を快楽が蝕み、くらくらしてきた。 「はい、たに……、も、いれて、い、から……っ、」 口をついて出たのはそんな言葉。 我に返って、物凄い羞恥に居た堪れない。 今、俺、何言った……!? 「めずらしいね、慧さんがそういうこと言うの。」 相当意外だったのか、澪もきょとんとしている。 けどそれも直ぐ笑顔になって、ナカにあった指が引き抜かれた。
「……いれるよ?」 「ん……。」 頷きを返す。 ゆっくりと入ってくる息苦しさに、大きく息を吐く。 「は、……っ、」
「ぅわ、なんかいつもよりいい……」 そう呟いて、澪は腰を動かし始めた。 「ひ、ァ……ッ!はやい……っ!」 いつもより激しく揺さぶられて、頭の芯が痺れる。 「ひぁ、っぅ、んン……ッ!」
「可愛い声。もっと聞かせてよ、……“慧”。」
耳元で囁かれて、快楽が一層高まった。 「やァ、ぁ……っんんン!」 感じるところを突かれて、背が弓なりにしなる。 「ね、慧、僕のことも名前で呼んで……?」 かり、と耳を甘噛みされて、甘い快感が背筋を走りぬけた。
「は、ァう……っア、……っ、み、お……、澪……ッ!」 呼び合って、快楽を高め、身体の下敷きになっている腕が痺れていることさえ、本当にどうでも良くなるくらい、快楽に溺れる。
「……も…っイ、く……ッ!」 限界が、近い。 「うん、僕も、そろそろ限界……ッ。」 澪も、同じみたいで、表情に余裕が無くなっている。
「一緒にイこう、慧……」 そう言って、深く穿たれた。 「んッ……!――ああァぁアっ!!」 「……――ッ!」
俺と澪は、ほぼ同時に果てて、そのまま暫くぐったりしていた。
「ち、ちくしょう……。」 結局結構荒かったし! 「慧さんが悪い。」 「なんでだよ!」 痺れた上に縄の跡がついた腕をさすりながら、涙目で叫ぶ。 すると、澪はこっちを一瞥してから、不機嫌そうに答えた。
「……気絶するほど疲れてるなら、言われれば僕だって自重くらいするのに。」
「ぁー……、」 要は、信用されてないと思って、拗ねてるわけだ。 内心嘘付け!とか少しは思った。けど、そこはまぁ、一応恋人だ。 「……それは、悪かったけどさ……。」 「罰として今度、」 ん!?またなんか変な要求する気か?!
「デートして。」
……うん、ごめん、信用してないな、俺。 「……えと、うん、わかった。」 言った途端、嬉しそうに微笑む澪。
普通にしてれば可愛いのに、本性は全ッ然可愛くない俺の恋人。 それに勝てないのはきっと、ヘタレなのもあるんだろうけど。
……そこはまぁ、惚れた弱みってやつなんだろうな。 あんま、認めたくはないけどさ。
了
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