嫌いを好きにする方法 | ナノ

私とコナンくん(前)

「で、お前は何者なんだ」

「何者って…私は苗字名前です」

「そういう意味じゃねえ!」


工藤くんがコナンくんになって早一週間。色々気まずさがあって、私は蘭の家…もとい、毛利探偵事務所を訪れなかった。隙を突いて、コナンくんに問い詰められることがわかっていたからだ。が、コナンくんへの接触を避けていたにも関わらず、向こうから接触をしてきた。まさかの予想外。


「オレのことについて、聞きたいことがある」

「……言いたいことは山々あるんだけど、高校の前で小学生が待ち伏せなんて、怪しまれるよ?」

「いざとなれば、蘭を待っていたとでも言うさ」

「私が蘭と一緒に帰っていたらどうするの?今日はたまたま一人だけど、いつも一緒に帰ってるし」

「そん時はそん時でどうにかする」

「それはまあ大層な自信ですこと」


校門で話してもまずいということで、私の家に行くことになった。一人暮らしだからいいけど…じゃなくて、怪しいと思ってる奴の家にのこのこ上がり込むとか、どんな神経してんだコイツ。


「で、本題に入る」

「どうぞ」

「お前はオレの何を知ってるんだ」

「何も?」

「しらばっくれんなよ!オレは名前と親戚関係でも何でもない。でも、あの時咄嗟に作った江戸川コナンの名を知ってたじゃねえか!!」

「あー…たまたま?あ、ほら、蘭から名前を聞いてた」

「オレは電話を傍で聞いてた。でも、オレが名前を告げたのは電話の後なんだ」

「博士とか、言ってたよね、コナンくんって」

「家に入って名を告げる間もなくオレの名を呼んだ。だからオレと博士は驚いたんだ」

「……へ、へえ〜」

「なあ、正直に言ってくれよ…オレはお前を疑いたくねえんだ」


……と言われましても。人が若返るのも非現実。でも、「私は別の世界の存在で、気がついたら漫画の世界である此処に居ました」って言ったらどうなる?それこそ精神状態疑われる。さて、なんて言い逃れようか。
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