嫌いを好きにする方法 | ナノ

私とコナンくん(中)

「仕方ない、腹を括って話そう」

「…!やっぱり、オレの事を知っている…あの黒い奴等の仲間か!?」

「いや誰だよ黒い奴って。Gか?全く違うから。君の事を知ってるだけ」

「あの場面を見ていたのか…?」

「んー…えっとね…見てはないかな」


何て言おう。誰か私に巧い言い訳を与えてください。思い付かぬ。もういっそのこと開き直って、精神異常者になろうかな。むしろそれが本当のことで、嘘を吐いた罪悪感ないよね。


「実はね、私、断片的に未来が見えるの」


NOOOOOOOO!!あ、なんか墓穴掘った!これ嘘と変わらない!!本当のことを言うのを躊躇って、変に口が開いた…!これはむしろ、真実を言った方が理解できたかもしれない。ミスったー…


「…は?」

「そうなりますよねー…」

「お前…頭大丈夫か…?」

「なら疑っとけばいい」

「…しばらく様子をみる」

「聞きたいことはそれだけかな?」

「…まあ、今のところは」


もういい。色々隠し背負ってる方が辛い。私は嘘を隠し通せはしないだろう。何もかもこちらから暴露してしまいたい。私はコナンくんが本当は工藤くんだって知ってるよ、って。でも、できない。何て勇気のない心。


「全部は言い当てられないけど、相談くらいは乗るよ」

「あ、ああ…」

「きっと対等に話せるから」

「時期が来たら、話す。それまで考えておく」


でもね。わざとなのかは知らない。でも、でも。コナンくんの態度は、私が「江戸川コナンは工藤新一であることを知っている」前提で話に来たんじゃないかって思ってる。じゃなきゃ一人称はオレじゃなくボクのはずだし、私や蘭の名前を呼び捨てにしないはずだから。コナンくんが話してくれるまで、私もカードは伏せておくね。
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