私とコナンくん(後)
「で、結局知っちゃうんだよねー」「あら、私は貴女を最初から認めていたけど」
「おお…灰原ちゃんありがとう」
色々あって、いよいよ灰原ちゃんと会いました。特に何もしてないけど、めちゃくちゃなつかれたんだよね、初対面で。むしろ、コナンくんの正体聞く前に、灰原ちゃんの正体を聞きました!みたいな。とうとう最後まで口を割らなかったコナンくんと私の信頼のなさにがっくり。いや、秘密なんだからしょうがないよね。
「まあ、彼は彼で考えてたんじゃないかしら」
「私はコナンくんの事知ってたんだけど、私は彼が話してくれるまで口出さなかったし。」
「彼より先に、私の秘密を知ったものね」
「はは…灰原ちゃんが仲良くなってくれたことにびっくりだけど」
「貴女は…何か、違う雰囲気がしたのよ…言葉では言い表せない、何かを」
「何処かで聞いた言葉…」
「でも結局は私達の秘密を聞いたのだから、協力よろしくね、名前」
そう、私は安室さん切迫事件も過ぎ去った後に、灰原ちゃんの元に向かった。コナンくんから、灰原ちゃんが私を頼ってくれていると改めて気づかされたからだ。回想してみると、こんな感じ。
『コナンくん、博士の家に呼び出してどうしたの?あ、この女の子って』
『ねえ、付いてきて』
『え?』
『いいから』
『(自己紹介すらしてないのに、灰原ちゃんに連れ出されるこの状況、なんなんだ)』
『…貴女とは、話してみたかったの』
『はあ』
『ここは私に与えられた部屋だから、盗聴は心配しないで』
『う、うん』
『私は灰原哀。本名、宮野志保』
『うん………え?』
『事情を説明するわ。因みに彼…江戸川君も同じ境遇』
『お、おお…』
以上、回想終了。私の何かが、灰原ちゃんの勘に触れたらしい。ということで、出会ったその日に彼女の正体を知った。まだ工藤くんから聞いてないんだけれども。
後日、コナンくんから呼び出しをくらって何かと思いきや、ここでもいきなり正体を明かされました。
『今日は呼び出して悪いな』
『いや、別にいいけど…どうしたの?』
『率直に言う。オレ…実は、工藤新一なんだ』
『…お?』
『信じてもらえねえかもしれねえけど』
『おお…』
私、お、しか言ってない。ということで現在にいたる。
「実は私も…」
「どうしたの?」
「私も、秘密っていうか、その…実は割りと特殊だったりする…かも」
「はっきりしないのね」
「んー…えっとね…大したことある話で…科学者に聞くのもなんだけど、非科学的なこと言っていい?」
「…私は構わないけど。まだ迷っているのなら、話したくなった時に言ったらいいじゃない?」
「う…じゃあ、話がまとまったら伝えるね」
私を信頼して秘密を教えてくれたから、私も隠し事はしたくないんだ。