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『やぁ』
「…やぁ」
『おや、元気がないねぇチョコレートでも食べるかい?元気になれるよ』

いつものように暖かい笑顔でチョコレートを差し出すを掴み
ジョナサンの青緑の瞳をじっと見つめる。
名前の訴えかけるような表情に察しがついたのかその瞳は何もかもわかっている瞳だった。

「…今日、君の子孫にあった。」
『元気だったかい?』
「あぁ…元気だった…」
『よかったぁ』
「それがいいたいんじゃあない、君たちは本当に実在する人物だったんだな…」
『うん。そういえば僕が実在するってそういえば言ってなかったね、ごめんね』
申し訳なさそうにジョナサンは謝る、
そして名前は目の前のヴィジョンに指をさした。
画面は丁度ディオが映っている、
ディオがジョナサン一行と対峙している場面だ。

「ディオ…いやDIOが生きている。」
『知っている。だから会ってほしいと言ったんだ』
「何故?」
『僕はまだ彼と仲直りしていない。』
意味は分からなかった。だがジョナサンがあまりにも悲しそうで言葉が出なかった。
けれどもDIOがここから一駅超えたところにいるわけじゃあない、
遠い遠い外の国で仲間を増やし、力を蓄え。ジョナサンの子孫が来るのをいまかいまか、いつ殺せるかと待ち構えているに違いない。
そんな事に自分が首をつっこむなんてそれはとても勇気がいることだ。

ズザザ――
飛行機の中、虫のスタンドが承太郎たちに襲い掛かっている。
無関係な人が大勢死んでいる、承太郎たちも怪我をする
犯人は客に紛れ込んでいるおじいさんだ。
相変わらず名前自身はいない。
これを知っているのは名前だけだ、きっとこれから起こる過酷な承太郎たちの旅を少しでも楽にしてあげられるのは自分しかいない。
ギュッと拳を握りしめ、覚悟を決める。

「私、DIOに会うよ。ジョジョ、君の代わりに泣くまであいつを殴ってあげるよ」
いつも不愛想で実年齢より大人びて見える名前はニッと笑う、
そんな無邪気な笑顔は年相応でジョナサンはそっと名前を抱きしめる。

『ありがとう。嬉しいよ、でも決して命を無駄にしちゃいけないよ』
「当たり前だろ。私の命は私のものだ、誰にも奪わせないよ」
ジョナサンを服をぎゅっと握りながら霞む目を閉じる。
起きた時にはもう朝で、いつもより気分がいい。
きっと覚悟を決めたからだろう。
ぼんやりと眠い目を擦り、時計を確認するともう家を出ていなければ学校に間に合わない時間だった。


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