08  




ジョナサンの言う通りDIOは存在している…、
なんせジョセフが名前の目の前に存在していて、この人の口からジョナサンという名前もでたのだから間違いない。
あの物語は100年前から存在していた“過去”だったのだ!
目が覚めているはずなのに起きながらにして夢を見ている気分だった
小さい頃から見ていたあのヴィジョンの中の彼ら。
彼らに自分は知らぬうちに感情移入をしていたらしい、胸が締め付けられるようだ。
あのジョナサンが確かに存在していた、そしていつも名前を驚かせたり、笑わしてくれたジョセフ。あの物語の人物たちがこの世の中に存在しているなんて信じられないが、名前は自身が高揚しているのを感じた。

「ジョセフ、君に会えるなんて感激だ。スージーは元気かい?」
「君はスージーのことまで…」
しまった。つい気分が高まってまた面倒なことを口走ってしまった
どうして自分は興奮すると思ったことが口に出てしまうのか、反省せねばと名前は落ち着きを取り戻す。

「教えてくれッ!なぜ君はわしらのことを知っているんじゃ…!」
「そ、それは……。」
夢で会った。なんて抜かしたら軽く笑い飛ばされて
この家を放り出される可能性は否めない。
まだこの家を出るわけにはいかない…まだこの人たちから話が聞きたい。
この人たちからDIOの話を聞くまではまだここを立ち去るわけにはいかない。
だがここで嘘をついても事態は変わらないだろう。
ならばできる限り本当のことを言うしかない

「信じてもらえないだろうが私はジョナサン・ジョースターのことならこの場の誰よりも知っているし、友人のようなものだ。
君らのことを知っている理由…、それは過去と未来が少し見えるんだ。」
過去と未来が見える。そう発言した瞬間周りがざわついたのを感じる。
だがそれに怯んでる暇はない、今度は私から頼みごとをしたければならない

「さぁ。理由を教えたんだから今度は私からのお願いだ。是非君らとDIOの関係を知りたい」
緊迫したこの状況。DIOの情報を教えていいのか迷っているのだろう

「…証拠が欲しい。」
おじいさんが証拠がほしいというのもわかる。
私が出まかせを言っている可能性がないのも言えないのだから。
だが名前には物理的な証拠はない、なんせ彼とは夢でしか会わないし
未来予知と言われたって信じられないだろう。

「…。ジョナサン・ジョースター、好物は甘いもの。あぁ特にチョコレートが好きだったかな。身長は195p、体重は105s、血液型はA
頭髪は黒髪で、青緑色の綺麗な瞳だよね、彼は。」
「……。」
目の前のおじいさんはゴクリと唾を飲みこみ真剣に名前を見つめる。
おじいさんはもうすでにこの女子高生はジョナサンをなんらかのきっかけで知ったと確信を持っていたが。
…わからないのがこの女子高生、まるでジョナサン・ジョースターを見たことがあるような口ぶりだ。愛おしむようなその瞳はまるで親のことを語る親孝行な娘のように。

「ジョジョは貴族の生まれで、不自由のない暮らしをしていたけれど…
彼はディオによる支配者のせいで絶望の道を歩むことになった。
ジョジョの大切な人の命を奪ったディオは果てに石仮面という仮面をかぶり吸血鬼と化してしまう。そしてまたジョジョの大切な人の命を奪い、最後にはジョジョ自身の命を奪われ、体を奪われてしまった…。
ジョセフ、君のことも知っている。」
「オーマイゴット…君は一体何者なんだ…」
「そして未来のことだが
確かDIOはエジプトのアスワン付近にいる。」
「……。」
この女子高生は確実にジョナサンのことをしっている。
この話を知っているのはエリナとスピードワゴン。そして二人から聞いた話を知っている自分自身のはずなのに、ジョセフは困惑していた。
なんせ100年も前の人物と知り合いになれるとは普通の人は思わないだろう。
だが未来の話だがこれはどうも今は確証が取れない。

「…わかった。君が何者なのかはこの際置いておこう。
信じるよ、君はジョナサンを知っている。未来の話もいずれ答えが出るだろう
では今度はDIOの話だ。先ほど君が言っていた通りジョナサンの体を乗っ取った。
この写真を見ろ。私たちはこの男を追っている」
写真にはDIOが映っていた。
その見慣れたブロンドの髪に星型の痣。まさしくジョナサンの体を乗っ取ったDIO…。
不可解なことが起こりすぎて、もう頭はパンク状態だ。

「うぅむ…。」
周りが沈黙をしているなか、ジョセフが途端に唸りをあげる。
ジョセフはもしかしたらこの女子高生は敵の可能性もありえなくはない
それだと合点がつくが、敵ならもっとうまくこの話を誤魔化すはずだし
DIOの話なんか一々聞きたがるだろうか、いや…それすらこの子の策略だとすると…
いかん、これだと無限ループだ。こうなったら彼女に直接聞いて反応を見よう。

「君…もしかしてスタンドつかいなんじゃあないのか?」
「そういえば…。君、責めるわけではないが僕のハイエロファントが見えていたようだが。」
「DIOの手先…という可能性もあるのかもしれない…。」
ジョセフが単刀直入に聞くと花京院とアヴドゥルは反応を示す。
花京院の話によるとこの子はなんとスタンドが見えているというじゃあないか
こりゃ黒だな、と承太郎以外の者は戦闘態勢に入る。

名前は敵とはDIOのことだろうと冷静に考えるも大半は「ヤバイ」の一言で埋め尽くされた。そうだ、私が疑われる可能性を考えていなかった。
あーもう私ここでボコボコかなぁ、それとも戦ってみるかと一か八かの賭けに入ろうとするとそれは承太郎の声で制止された。

「DIOの手先ではないぜこいつは。
こいつは俺が知っている限りでは3年間、特待生として俺と同じ学校に通っていた
DIOってやつが目覚めたのはついこの間だろう。
こいつがスタンド使いかどうかは知らねぇが少なくともDIOの手下じゃねぇぜ」


prev / next





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -