07  




名前が腕を組んで考えていると花京院は動揺しながら、起き上がり自分の肉の芽が埋め込まれていた場所に手を当てながら、部屋から立ち去ろうとする承太郎を見た。
そして問うた。何故助けたかと
だが承太郎は「よくわからない」と返すだけだった。
この時、二人に確かに友情が芽生えた
男の友情かぁ、感動するなぁ。と名前はもはや考えることを放棄していた。
そこで花京院の傷が結構酷いじゃないかと気づく。

「…まだ私は話は呑み込めていない…が。
花京院ちょっと面貸しな」
花京院は操られていたとき、ハイエロファントで攻撃をした仕返しでも喰らうんじゃあないかと思った。だがそれを甘んじて受けようと瞼をぎゅっと閉じる
しかし花京院の予想とは違い、名前の手は優しく額、次に頬に体に手を当て治療していく。

「ほら、終わったぞ」
「あ、ありがとう…
それにしても君。不思議な力を持っているね」
驚いた、肉の芽に操られていたとはいえこんな女性をいたぶってしまったのだ
花京院はてっきりそのツケを返されるとばかり思っていた。
それ以上にこの奇妙な力…花京院が関心をしたところ、次に口を動かしたのはおじいさんだった。

「その力は波紋じゃ。ほれ、承太郎もこっちへこい」
そういわれて、承太郎は反抗でもするかと思ったが案外素直に従った。
そして手を当てたところの傷がまたみるみる塞がるのだ

「わしはもう年老いて無理はできないが、これは波紋という技じゃ
君、これをどこで覚えたんじゃ」
「…わからない。この能力は生まれつきだよ、使い方は知人に教わった。」
「ふむ…わしと同じようなものか…」
知顎に手を当て考え込むおじいさん。
波紋…この力は名前が生まれながらに持っていた力
最初は使い方がよくわからずに困惑したが、基礎的な使い方をジョナサンから習い、そしてちょぴっと修業したがすぐ飽きてやめた。

「その知人も波紋使いなのかね」
「あぁ。ジョナサン・ジョースターっていうんだが、
こいつがすごい才能を持った波紋使いなんだ。」
まるで自分のことのようにジョナサンのことを自慢げに話す名前。
てっきりこのおじいさんは関心だとかそういう感情をしてくると思ったが
名前の予想は外れ、目の前のおじいさんは目をこれでもかというほど見開いている。

「ジョナサン・ジョースター…だと!?
その名はわしの祖父の名じゃあないかッ!」
頭の中がまるで雷にでも打たれたような衝撃が走る。
まさか、ジョジョの孫ってことは…

「君はジョセフ・ジョースターかい!?
信じられない…だが随分老けたが面影はある!」
目の前にいるこの人物…。
どこかで見たことがあると思ったがそうだ、ジョナサンの孫のジョセフだ!
(なんで夢でみた人物がこんなところにいるんだ!)
驚いて声も出ない名前はジョセフに指を指したままポカンとしていた。

「oh…何でこの子はわしの名前まで知っているんじゃあ!」

ジョセフもジョセフでそれはもう驚いていて
頭を両手で押さえ「オーマイゴット!」と外人らしいオーバーリアクションをしている。
名前も驚いて取り乱したかったがうまく感情が表せられない
(まて、待てよ。何を聞けばいいんだ?)
「なぜここにいるか」「何者なのか」聞きたいことは山ほどあったが声に出ず口をパクパクと開けたり閉じたりするばかりだ。


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