04  




教室のドアをガラリと開け、いつも通り席で今日の授業の予習をする
だが、全く頭に入らない。承太郎の野郎は大丈夫なのだろうかとばかり考えてしまっている自分に腹が立つ。
クソッ、やはり怪我をしているやつを放っておくとは。なんて私は嫌なヤツなんだ
今すぐにでも直してやりたいが、たぶんあいつは保健室で治療を受けているはず…。

「いや待てよ。」

そういえばこの間見た未来のヴィジョン…。
確か保健室で面倒事が起こっていなかったか…?
だとしたらあいつが危ないじゃないか。名前はいても立ってもいられなく保健室へ急いで向かった。
果たして自分ははこんな正義感の強い人間だっただろうか、きっとジョナサンの甘ちゃんが映ってしまったんだろう。

「失礼します。」と名前は息を荒げながら保健室へ入る。
もうあのヴィジョンのような光景が広がっているのだろうかと思ったが違った
けれど安心なんかできるはずもない、驚くことにあの優しい保健室の先生が不良の生徒の目に万年筆を突き刺しているッ!
目を見開いて驚いていると名前に気づいた承太郎が「どけ!あっちへ行っていろ!」と怒鳴るように言ってくるが名前は驚いてそれどころではない。


「なんだこの腕力!女の力じゃァねェ!!
花京院の仕業か…。」
承太郎はもう名前を気にかける余裕はなくなってきたらしい、
先生の攻撃を必死に受け止めている。
なんだあのとんでもない力…先生にはそんな力あるとは思えない。
あのジョジョが両腕で抑えているというのに万年室がジョジョの頬にめり込んでいるじゃないか。花京院ってのは誰だ!?
どうやって承太郎を助けようかと足を動かしたとき。窓から「その通り」という声と共に、ジョジョと差はないくらいの顔の良い青年が現れる。それはヴィジョンで見た他校の男と容姿が完全に一致していた。だとすると対峙していたのは承太郎
どこかで見たことがあると思ったがこいつだったのか…。

(クソ、つい自分には関係ないと思ってろくに見もしなかったからこの先の未来がどうなるかわからない。)
あぁ、こうなるんだったらちゃんとヴィジョンを見ておくんだったと後悔するがそれはもう遅い

「どの女医には、私のスタンドが取りついて操ってる。
私のスタンドを攻撃するということはその女医を傷つけることだぞ」

言葉通り操り人形を操っている…。あれはきっと先生とでも言いたいのだろう。
あぁもう意味がわからない。だがここで逃げてはいけない、
ここで逃げてみろ。もしもジョジョが死ぬなんてことがあったら私は一生後悔なってしまう。あんなやつのせいで一生後悔に苛まれるなんでごめんだぜ
「コォォォ」と波紋の呼吸をしながら名前は先生に後ろから羽交い絞めをする。
ジタジタと暴れる、すごい力だ。だが力には名前にも自信はある
動く先生をさらに力強く羽交い絞めにするとビクンと跳ね動かなくなってしまった。
これはスタンガンのようなもので、態勢のない奴はしばらく眠ったままだ

「おいジョジョ!早く先生を何とかしろ!!」
霊的現象にあったことがない名前はどう対処していいかわからない、
羽交い絞めにしている腕をぎゅっと強張らせジョジョに向かって解決策を出させる。
すると驚くことに、ジョジョはいきなり先生の口と自分の口を重ね、ぐいっと承太郎がのけぞると同時に人型だが人でないものが承太郎から出てきた。そいつの口には緑色の、これまた奇妙な姿形をしているものをくわえていた。


prev / next





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -