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放心状態で私の部屋から立ち去る医者の背中を眺めていた。すると一君が立ち替わりに私の部屋に入って来た。

「ナマエ…大丈夫か」

「………一君、」

「傷はいいのか」

「…うん」

「お前も目覚めたことだし、左之を呼んでこよう。アイツもお前を心配して…」

「ごめん一君、今左之には会えない…暫く一人にしてくれる…?」

「どうかしたのか」

「ごめん…っ…ごめんなさい、ごめんなさい…」

突然泣きわめく私に驚いたのか、一君あわてた様子で「お、落ち着け!」と背中をさすってくれた。

私はきっともう戦うことはできない。それに加え、もう女として生きていくことさえも許されないのだ。

左之は戦いのない平和な世界を望んで、私と家族になることを望んで、家族を作ることを望んでくれた。それなのに私は左之の夢を叶えることができなくなってしまったのだ。


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