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- ナノ -

「ナマエは女なんだからいい加減隊務からおりろ。」と左之からは散々言われてきた。だけど私だって幹部のみんなと一緒に戦いたかったし、何より大好きな左之と一緒に居たかった。

左之は私の身を案じてそう言ってくれていたのに、私は自分のわがままを貫き通して左之の言うことを聞かなかった。だからバチが当たったんだと思った。

「!…っ」

一瞬の隙を突いて間合いを詰めてきた敵に腹を斬られたのだ。

「ナマエ…!」
「ナマエちゃん!」

私を斬りつけたやつはすぐに総司によって斬られ、左之に心臓を突かれ死んだ。私に駆け寄る幹部のみんな、心配そうに私を抱える左之の顔が見えたが……だんだんと意識が遠のくのがわかる。

左之、私…死ぬのかな。

****

「傷の縫合は終わりましたが、無理は禁物です。無理をすればきっとすぐに傷が開くでしょう。」

「……ありがとうございます」

ズキズキと痛む傷が熱を持っている。医者の話を聞いてみると私は丸三日も眠っていたそうだ。

「して…ナマエ殿。」

「はい」

「あなたには恋仲にある方がいらっしゃったかな」

「…はい」

「少し、言いにくい話ではありますが」

「なんでしょう」

「月経が来ていなかったでしょう。あなたは子を成しておられたようだ。しかし、この腹の傷だ。残念ながら、お子は…」

目からは自然と涙があふれてきた。左之と、私の子が、私の腹に居たのだ。

「子が…私と左之の子が…私のせいで…」

「ゆっくり聞いてください。この腹の傷、命に別状はありませんが…もう子を成すことはできないでしょう」

この時初めて、死にたいと思った。


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