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【 後日談4 】

出産を数ヶ月後に控えた私はうちはの集落へと赴いていた。数週間前に子供を産み、退院して家に戻ってきているらしいミコトさんを見舞うためだ。ミナトには心配だからあまりひとりで出歩かないでほしいと言われるが、少しの運動は問題ないしむしろ必要だからと何とか納得してもらい家を出たのが一時間ほど前のこと。途中で果物など少しの見舞いの品を購入し、ミコトさんの家の前までたどり着いたとき、後ろから声を掛けられた。

「…どなたですか?」
「あ、こんにちは。イタチくんだよね?」
「あなたは…四代目の」

まだまだ子供な筈なのに、とてもハッキリとした物言いに驚く。そうだった、私が知っていたイタチくんも聡い子として有名だったっけ。
きっとあの子は私が死んだ後も順調に忍として活躍していたのだろう。

「お母さんたち、いる?」
「母と弟は中にいます。上がりますか?」
「うん、ありがとう」
「母さん、四代目の奥さんがお見えになったよ」

イタチくんと共に家に入ると、奥から赤ちゃんを抱えたミコトさんが駆け寄ってきてくれた。

「いらっしゃい。あら、だいぶ出てきたのね〜!」
「最近胎動が激しくて…毎日蹴られてます」
「元気な証拠よ。男の子?」
「はい。ミナトに似てくれるといいんですけど」
「どっちに似ても美男子よ」

客間に寝かされた赤ちゃんの元にイタチくんが駆け寄っていく。あまり表情が変わる方ではないようだが、赤ちゃんを眺めるその表情は優しさに満ち溢れていてとても穏やかだ。

「赤ちゃんの名前は?」
「サスケよ」
「そっか〜。サスケくんはうちのこと同級生になるわね」
「仲良くしてくれるといいわね」
「イタチくん、うちの子が生まれたら可愛がってくれる?」
「え、はい、勿論です。」
「頼もしいお兄ちゃんが二人もいるなんて、心強いです」

私がそういうとイタチくんは少し驚いたような顔をした後、俺とお前があの子のお兄ちゃんだよ、と言いながら嬉しそうにサスケくんの頭を撫でていた。微笑ましい光景に私も笑顔があふれた。

兄弟かあ…いいもんだな。

まだ一人目の出産すら終わっていないというのに、目の前にいる愛に溢れた兄弟にお腹の子の未来を重ねた。