【 2-13 】
(※後半に性描写があります。自己責任でお読みください)
「ナマエー。この袖の所破れちゃったから縫ってくれない?」
「またー?はいはい」
破れてしまった忍服を渡すと、ゴソゴソと裁縫箱を持ってソファに座ったナマエ。そんなナマエの太ももを枕にする様に横になった。最近の家の中での定位置だ。
下から真剣な表情のナマエを見つめながら、極秘任務だから内容は言えないけど明日から暫く家を空けることになると思う。ごめんね。そう告げるとナマエは素直に寂しそうな表情を見せたものの「私は大丈夫、いってらっしゃい」と俺の頬を撫でた。
またこの顔だ。俺が火影になってからというもの、ナマエはこんな顔ばかりするようになった。
担当上忍時代より遥かに忙しくなったからナマエとの時間が少なくなったのは事実で、俺はナマエに寂しい思いをさせてばかりだ。強がらせてばかりで申し訳ない。俺が知っている君は、本当はすごく繊細で脆いのに。
「でーきた」
「ん、ありがとう」
「ミナトも火影なんだから、わざわざ繕ってまで同じ服着なくても良いんじゃないの?」
「そうかもしれないけど…俺ばかり贅沢するわけにはいかないしね。それに縫ったあとを見るとナマエを思い出すからね」
「ふふ、ありがとう」
「君を近くに感じられるから好きなんだ、破れかぶれの服でも」
今度はとても穏やかな顔になった。俺の愛しい人の優しい顔。好きな表情。
「ちょっと!ミナト!」
「んー!愛してる!」
「ちょ、ちょっと!もう!くすぐったい!!」
膝枕の体制のまま、ナマエのお腹に抱きつくとナマエは焦った様に俺を引き剥がそうとする。そんなに照れなくてもいいのに。
「ナマエー…」
「な、なに?」
「愛してるよ」
「うん…」
「俺は君さえいれば強くいられるから」
「うん」
「俺のために、ずっと生きてて」
「うん」
ナマエの手が、俺の頭を優しく撫でた。今度はどんな表情をしているのだろうか。
※
「ねえ…ナマエ、怒んないで聞いて」
「んー?どうしたの?」
「その、君と…したいんだけど」
渦の国の九尾とか、得体の知れない恐怖とか、愛してやまないナマエとしばらくの間離れなくちゃいけないこととか、色々考えていたら急に抱きたくなってしまった。理由なんて無くても愛しい恋人を抱きたいと思うのは当然なのだろうけど、
「その…随分急だね…」
「いやだった?」
「そういうわけじゃないんだけど、面と向かって言われると恥ずかしい」
顔を真っ赤にして目も合わせずにそう言ったナマエが可愛くてたまらなくて思いっきり唇にかぶりついた。自然と舌が絡まった様子からさっきの質問の答えは肯定と見て問題ないんだろう。キスをしながらナマエを抱き上げ寝室に向かう。ベッドにおろして頬を撫でると彼女はニッコリと笑った。
あ、いや…情けない、あまりに可愛くて、一気に元気になってしまった。
「ミナト、手繋ごう」
目をそらしながら言うナマエにもう何もかも我慢ができなくなった。ナマエに覆いかぶさり、ナマエの頭上で片手を繋いだまま口付けを続けた。潤んだ瞳で俺を見つめるナマエの頬を撫で、首筋を撫で、そのまま胸への手を這わす。んん、と悩ましげな声をあげるナマエが愛しい。
「可愛い、可愛いよナマエ…」
「恥ずかしいってば…」
「脱がすね」
無言のまま頷くナマエ。腹に跨ったまま服を脱がすと可愛らしい下着。そして下着を外せば綺麗な胸。先端を口に含めばまた悩ましげな声をあげるナマエ。もう…どうしてこんなに可愛いのか…
「ナマエ、愛してるよ」
「んんっ…ミナトっああっ」
乳首を口に含んで舌で刺激しながら、空いた手でもっと敏感な下半身をまさぐる。下着の中に手を入れればそこはもう俺を受け入れる準備をしてくれていた。
「グチュグチュいってる…聞こえる?」
「んあっ!いわ、ないで…っ」
「可愛い……」
ナマエが身に付けていた全てを取り払い、そのまま体をずらして濡れたそこを舐めあげる。なんだかとっても甘美な味がする。
「なめちゃ、ダメぇ!あんっ」
「おいしいよ…ナマエ…っ」
舌を差し込めばきゅうきゅうと締め付けるそこ。自分の半身を入れた時のことを想像すると、もう我慢なんて出来そうになかった。
「ナマエ…入れて、いい…っ?」
「う、ん…!」
「入れるよ…っ」
「ああああんっ!ミナトぉっ!」
「好きだ!愛してる…っ!」
「ああん!んっ…私、もぉ…っ」
愛に応えてくれるナマエが愛おしくてたまらない、本当に本当に、俺だけの愛しい恋人、
「ナマエ…!」
「ミナト…もう、だめ…っ」
「ん!俺もだ…っ!中に、出しても…いい?」
「うん…っ」
ナマエを抱きしめ、同時に果てた。最後の一滴まで搾り取ろうとするナマエの中に腰の震えが止まらない。こんなに気持ちがいいセックスがこの世にあるのだろうか。
気を失ってしまったナマエの額にキスを落として、そのまま眠りについた。明日が来ればしばらくの間離れ離れだ。ごめんね。