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【 2-12 】

同盟国である渦の国が危険にさらされているという報告を受けた。渦の国と火の国は同盟を結んでおり、九尾を共有している間柄だ。

近頃渦の国に不穏な動きがあり、人柱力の身に危険が迫っているらしい。

同盟国の長として俺は渦の国に向かわなければならない。人柱力が絡んでいる故どれほどの危険があるのかは正直見当もつかないが、それでも行かなければならない。

−−−コンコン

「はい、どうぞ。ん?自来也先生?」
「ミナト…お主、渦の国のことは聞いたか」
「はい。これから人員を選定し明朝にでも少数精鋭で向かうつもりです。」
「この任務…ナマエの耳にだけは入れるな」
「どうしてです?」
「ナマエは−−−」

初めて耳にする、驚愕の事実だった。
あの日ナマエが言った俺が「死んだ」という事実。その件にまつわること。

ナマエがいた世界で俺の妻となった人が九尾の人柱力であり、出産の際に弱まった封印で九尾が暴走、そして暴走を止めるために俺は自らの命と引き換え九尾を封印した、と。

「そんな封印術聞いたことがない…」
「ナマエが言っていたのは渦の国に伝わる封印術のことだろう。あの国にはあの国独自の術が存在する。きっとこの件ナマエの耳に入ると…彼奴は不安から取り乱すぞ。」
「しかし家を空ける以上…」
「ナマエが、里を救って死んだお前を追って死んだ事実があったとしてもか」
「!?」
「ナマエはそれ程までにお前を愛していたんじゃ。もう不安にさせるな」
「ナマエが…俺の後追いを…」
「一人の女にそこまで愛されるとは男冥利に尽きるのォ…」
「そんな、笑い事では…!」
「だからこそだ。お前は無事に任務を成功させナマエの元へ帰れ。彼奴の知る世界とは違うことを教えてやれ。いいな」
「…はい」

今回の任務、失敗は許されない。必ず生きて愛するナマエの元へ帰ろう。