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【 2-11 】

甘栗甘での仕事の帰り、任務帰りのカカシくんを見かけた。いつも通りの冷めた表情に一瞬たじろいでしまったが、それでもカカシくんを心配してやまない彼のために、と声をかける。

「カカシくん!」
「ナマエさん…?お久しぶりです」
「最近忙しいみたいだね。ちゃんとご飯食べてる?」
「まあ…それなりには。」
「ちゃんと食べなきゃだめよ?食べ盛りなはずでしょ」
「はあ」
「そうだ、今日用事ある?」
「任務報告も終わったし今日は帰るだけです」
「だったら夜ご飯一緒に食べない?」
「え?」
「久しぶりなんだし、どう?茄子のお味噌汁作るよ」
「…わかりました」

なんとかカカシくんを口説き落として家に連れ帰る。やましい動機なんてなにもないのだが…ただ、カカシくんを心配する彼のために。

カカシくんが好きな茄子のお味噌汁や焼魚、ほうれん草のおひたし、炊き込みご飯、その他色々と食卓に並べるとカカシくんの顔が引きつった。さすがに張り切り過ぎたようだ。

「ナマエさん…ありがたいんですけど、全部食べ切る自信がありません」
「余ったらミナトが食べるから気にしないで」
「さすがに火影様に俺の残り物を食べさせるわけにはいかないですよ」
「へえ、カカシくんって案外目上を敬うタイプなんだ」
「ミナト先生は特別ですよ。先生は実力だって木の葉イチだ。だから火影に選ばれた。俺は今まで何度も先生の戦いを見てきたから、先生がどれだけ凄い人なのかよく知ってます」
「カカシくん…ミナトのこと、好き?」
「いきなりなんですか」
「変な意味じゃなくて」
「嫌いなわけないです。先生は俺の憧れだし…先生がいるから俺は自分で居られるんだと思います」

ここまで饒舌なカカシくんは初めてだったが、彼の本音に触れることができたような気がして私の中に嬉しさが込み上げた。ミナト、心配しなくても彼は彼なりに前を向いているみたいだよ。

「ナマエさん嬉しそうですね。俺のこと…先生に何か言われました?」
「え?」
「先生はこんな俺を心配してますか?」
「相変わらず鋭いね、その通りなんだけど…」
「先生に伝えてください。俺は大丈夫ですって。」
「ふふ、そうだね。そうするよ」
「…先生とナマエさんがいてくれるから」

カカシくんは私が作り過ぎた料理を全て平らげるとご馳走様でしたと手を合わせた。相変わらず律儀な子だ。

ミナトが帰ってきたら伝えてあげよう。あなたの教え子はリンとオビトくんの意志をついで立派に育っているよ、って。