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【 2-6 】

「今日の任務は以上!解散!」
「先生俺に修行つけてくれよ!」
「ごめんオビト、今日はちょっとね、また明日にしよう」
「えー!昨日もそう言ったのに!・・・って速っ!!もういないし!!!」

オビト、ごめんよ。

「ただいまー、ナマエ?」

しーんと静まりかえったた室内にナマエの気配はない。今日は午前中だけ仕事だと言っていたのにな…買い物?どこだろう。

「こんにちは。おばさんナマエ見ませんでした?」
「あらミナトくん。今日は見てないわねー?」
「そっか、ありがとうございます」
「どうかしたの?」
「いえ、ちょっとね」

馴染みのお惣菜屋さんのおばさんにナマエを見たか尋ねると、今日は見ていないとの返答。もしかして甘栗甘にまだいるのかな。

「こんにちは」
「あ!ミナト先生!」
「あ、君達来てたの?」
「なんだよー!修行は無しなのに団子かよ!」
「いやいやそうじゃなくて…ナマエいる?」
「え?いないぞ?」
「そっか…」
「ナマエいないの?」
「ん、ちょっとね」

嫌な予感が止まらない。
どうしたものか…冷静に冷静に…。

そうだ、ナマエには飛雷神のクナイを持たせてあるんだった!俺としたことが気づかないなんて…!

「オビト、またね!」
「先生?ってだから速ぇよ!」

ん、ここはどこだろう…辺りを見渡すとあまり見慣れない場所だから里の外か。と、それよりもまずは事態を収拾しなければ。

「ミナト!!??」
「ん!無事みたいだね」
「どうしてここに?」
「飛雷神のクナイだよ。嫌な予感がして君を探したけど居なかったから。…嫌な予感が当たっちゃったね。君、ナマエに何するつもりだった?」
「だ、誰だお前!」
「彼女は僕の大事な人なんだけど、わかってやってる?」
「えらく余裕そうだなお前…!気をつけな!」
「ミナト!!」

彼が投げた起爆札は一介の忍が持っているようなレベルでは無かった。ナマエを抱えて瞬時にその場を離れることで爆発は避けることができた。しかし…こいつ、何者?とりあえずマーキングは出来たから、なんとかして取り押さえなければ。

「ねえ、その起爆札普通じゃないよね。君って何者?」
「俺は武器商人だとでも言っておけば満足か?」
「今各地で起きている戦争を利用して、秘密裏に研究された危険な武器を高額で売ってる組織かい?」
「知っているなら聞くな」
「何故ナマエを狙う」
「俺はただ、聡明なこの人に惚れただけだ。組織に連れ帰れば有益な人材だろうと踏んだ。上忍に目を付けられるとは…失敗だったな」
「嫌な予感しかしなかったんだ。君が彼女に渡した花の花言葉は愛に応えて、だったよね。まあナマエは知らずに受け取ったんだろうけど」
「(知らなかった……)」
「君のナマエへの想いだけは純粋なものだと信じたいね。君たちの組織についてはうちも調べている最中だから君のことは暗部に引き渡すよ」
「あんた、黄色い閃光だな?そんなやつと戦う気は無いが…捕まる気もない」

彼の発した言葉に、一瞬ナマエを気にしてしまった俺は彼の行動に対応するのが遅れてしまった。

「ミナト!!危ない!」
「くっ!自爆!?」

でも、伊達に黄色い閃光と呼ばれてるわけじゃないよ。最初につけたマーキングを利用して、起爆札と彼をなんとかギリギリの所で引き離すことができた。本当にギリギリセーフって所かな。

「君はこのまま暗部に引渡すよ。ナマエに手を出したことを後悔したらいい。」

忍でないナマエに、こんな場面あまり見せなくなかったけど…俺のナマエに手を出した罪は重い。