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【 2-2 】

「ミナトくーん」
「う、なんだい?」
「最初からそのつもりだったんなら何で言ってくれなかったの」
「…怒らないの?」

ミナトに一緒に住もうと言われた日からもう三年も経ったのだ。私だって何も考えずに三年とい嬉しい長い時間を過ごしてきた訳ではない。それなりに覚悟も決めた。

ミナトの気持ちを受け入れる覚悟。
そして、過去と決別する覚悟を。

「ミナト、帰ってきてくれてありがとう」
「?」
「私は、生まれたときから…ううん、この世に生まれる前からずっとずっと貴方だけを想って生きてきた。私は、ミナトが好き」
「ナマエ…」
「だから、私と一緒に…っ」

私が言い切る前にミナトは痛いくらいに私を抱きしめた。

「ナマエ…!もう一度改めて言わせてくれない?」
「え?」
「俺は君を愛しているよ。小さい頃からずっと。それは今も変わらない」
「ミナト…」
「俺と一緒にいてくれる?」
「もちろん」
「ん!決まり!好きだよ、ナマエ」

ミナトの顔が近づいてくる。私はそっと目を閉じた。

−−−きっともう後戻りはできない。



あれからまた少し時間が経って、私もミナトとの暮らしに少し慣れてきたころだった。

上忍波風ミナトに、新たな転機が訪れる。

「ナマエ!俺アカデミーで担当上忍になるんだ!」

帰ってくるなり嬉しそうに私を抱きしめるこの人の笑顔は小さい頃からなに一つ変わらない、私を安心させてくれる素敵な笑顔だ。

「おめでとう」
「明日から早速受け持つことになるんだけど…中々個性派揃いでね」
「そうなの?」
「うん。白い牙、サクモさんの息子にうちはの子がいる」
「(カカシくん…)」
「ま!なるようになるよね!」

木の葉の里を、誰よりも誰よりも強く深く愛するミナトだから、木の葉の火の意志を育てられる立場になれたことが何よりも嬉しいんだと思う。

ふふ、いつにも増して楽しそう。

「ナマエ、何かいいことあった?」

貴方の嬉しそうな顔を見ることが出来て嬉しいだけだよ、なんて。

「内緒」
「えー、けち」
「そんなこと言うと夜ご飯抜きにするよ?」
「わ、それは勘弁!お腹ペコペコなんだ」
「ふふふ、じゃあ着替えてきて。今日はオムライスだよ」
「ん!ナマエのオムライス大好き!」

こんな何の変哲もない日常が幸せでたまらない。しかし私が知る終わりの時は着実に近づいている。

私は運命を変えることができるのだろうか。