「ん、お前…なんだか良い匂いがするな」
「わかる?」
私の髪を撫でていたローがふいにつぶやいた。数時間前に食料調達のために立ち寄った島の美容院で髪のケアをしてもらったばかりなのだ。
「人にシャンプーしてもらうのってあんなに気持ち良いんだね、美容院クセになっちゃいそうだったよ」
「俺は人に触られるのは好きじゃねえ」
「そうだ!今日、ローの頭私が洗ってあげる!」
「お前人の話聞いてたか?」
ローはまだぶつくさ言っていたけど、そうと決まれば早速行動だ。
「ったく…」
「気持ち良い?」
「…悪くはねェが」
能力者であるローはお風呂はあんまり好きじゃないようだった。シャンプーを終え、頭からシャワーをかけると体がフラついた。
「…ロー?」
「悪い…ちょっと力が抜けた」
風呂ということもあり私とローはお互い裸だ。…まぁ一応タオルを巻いてはいるのだが。ローは私の胸に頭を預ける形でぐったりしている。
…あれ?血?
「ロ、ロー!?」
「…」
「のぼせたの?嘘!ちょっと!ベポ!」
「(名前の乳…デケェな…)」
「ベポ!ローが…!」
「キャプテン!?」
「ち…ち…」
「ち?血!?」
もう二度とシャンプーをしてあげるなどと口にしないと決めた。
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