嫉妬も三倍返し

マリンフォードの戦争で心身ともに深い傷を負ったルフィを救うべく、海賊女帝と共に女ヶ島へと足を踏み入れた私達。噂には聞いていたが本当に女の人しかいない…こんな島があったのか。

「本当に女ばっかりなんだな…」
「この島に足を踏み入れたら最後、石になって帰れないって噂だぜ?」
「でも…それでも…本望だよなぁー…」

だらしなく鼻の下を伸ばしたクルーたちに嫌気がさす。キャスケットはともかく、シャチもこういうキャラだったのか。正直幻滅だ。

…船長は、船長はどう思ってるんだろう。いつも女っ気がない船に乗っているんだ。やっぱり興味があるのかな…いや、船には私が居るんだけどさ。

「…どうした」
「え?」
「えらく落ち込んだ様子だな。麦わら屋の容態が気になるか?」
「いや…気になると言えば気になるけど…」
「けど?」
「船長は…(流れとはいえ、)この島に来れて嬉しい?」
「まぁ…未知の島だったしな。存在が証明されて不思議な感覚ではあるが…」
「………」
「島の女たちには興味ねェよ」
「…本当?」
「あぁ」

船長は私の目を見て意地悪そうに笑うと、嫉妬か?と聞いてきた。まぁ嫉妬かと言われれば嫉妬だ。こんな面倒くさい女、船長は嫌がるだろうか。

「今はルフィの治療に専念しなきゃいけないのに変なこと聞いてごめんなさい。私、ルフィの様子見てくるね」
「名前、」
「ん?」

振り向くとすぐそこに船長の顔があって、なんとも厭らしいキスをかまされた。

「せ、船長?」
「お前が女ヶ島の女たちに嫉妬したように、俺が麦わら屋に嫉妬したと言ったら…お前はどうする?」

……船長はとてもずるい人だと思った。そんなことを言われると…赤くなってしまった顔の熱は暫く引きそうにない。


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