先生の奥さんとは

第七班での任務の帰り。任務自体の難易度は低かったが肉体労働であった為、ナルトもサスケもサクラも疲れ果てているようだった。しかし俺は数日ぶりに名前に会えると思うとそれだけで足取りは軽かった。

「カカシ先生ってばよ、なんでそんなに疲れてねーの?」
「んー?俺だって疲労は溜まってるよ。お前らより年だし」
「その割りに足取り軽いじゃない?先生なんか良いことでもあるの?」
「サクラは鋭いね〜」
「何だよ勿体ぶらずに早く言えよカカシ」
「サスケ、そんな怖い顔しなくても良いじゃない。ま!久々に愛する奥さんに会えるのが嬉しいだけだーよ」
「久々にってたった何日かしか里を離れてないってばよ…って!奥さん!?!?」
「カカシ先生って結婚してたの!?!?」
「初耳だぞ!」
「あれ?言ってなかったっけ?まあいいや」
「「「よくない!」」」

ナルト達曰く、俺はただでさえ謎が多くて掴み所がないのに奥さんがいるなんて…さらに謎が深まってしまった、と。そんなこんなで声を揃えて驚いているらしい。

「お前らこの間の任務の時俺が人数分の弁当持ってきたことあったろ?あれ奥さんの手作り。」
「あの時の弁当めちゃくちゃ美味かったってばよ!」
「はは、そりゃ喜んでくれるよ」
「あの時このお弁当どうしたのって質問に答えてくれなかったじゃない!」
「そうだっけ?」
「ああ。お前は答えなかった」
「悪い悪い。まあーアレだ。忍は体が資本だからな。しっかり美味いもの食って強くならなきゃ」
「じゃあさ!今度先生の家でご飯食べても良い!?」
「そうだなあ。名前に聞いとくか」
「わーい!名前さんっていうのね!楽しみ!」
「ま、暇つぶしに行ってやってもいいか」

あの時、ミナト先生の奥さんが俺たちを可愛がってくれたように、名前もこの子達を気に入って可愛がってくれたらいいな。

「というわけで、今度俺の生徒たちを招待してもいい?」
「わ!部屋を片付けなきゃ!」
「いつも綺麗じゃない」
「メニューはどうしよう…子供達が好みそうなもので栄養バランスを考えて…」
「そんなに気負わなくていいよ、無理なら断るからさ」
「ううん!カカシの生徒達に会えるの楽しみ!!」
「そっか、良かった」

名前の笑顔がクシナさんの笑顔と重なる。きっと名前はナルト達を我が子のように可愛がってくれるんだろう。

そう思うと俺も自然と笑顔になれた。


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