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2.嫌がらせにも等しい手紙

(つまりラブレター)

昨日は結局高杉君が電話を切ってくれなくて、寝たのは3時過ぎ。高杉君は毎日殿様出勤だから良いけどね、私は真面目なの。

「よォ、名前。どうした?目の下にクマ出来てんぞ」
「あ、おはよう土方君」
「で、どうしたんだ?」
「やっぱりクマできてる?そりゃそうだよねぇ…」
「何かあったのか?」
「いや、高杉君が寝かせてくれなくて…毎晩毎晩こっちも疲れるっつーの」
「え?」
「え、土方君?沖田君!土方君がフリーズしちゃった!」
「土方コノヤローなんてそのまま死んじまえば良いんでさァ。あり?反論してこねェや。名前、何言ったんですかィ?」
「かくかくしかじかで…」
「あぁ…(勘違いですねィ)ま、あんなヤローはほっといて教室行きやしょう」
「いいの?土方君は」
「良いんでさァ、」

フリーズした土方君を置いていくのはちょっと気が引けたけど、沖田君が急かすからそのまま教室に向かった。

今日も私の後ろの高杉君の席は…空じゃない。あれ?

「よォ」
「なんでいるの」
「何でっておめェ…俺に会いたくて仕方なかったくせによく言うぜ」
「勘違いも甚だしいな」

高杉君がいる…嫌な予感しかしないんですけど。

「あの、銀八先生!」
「おー何だ?俺の愛しの名前ちゃん…って後ろの高杉君、怖いからそんなに睨まないで」
「あの、銀八先生!」
「で、何?」
「席替えしてください」
「はい?そんなに先生に最も近い教卓の前がいいの?って高杉君睨まないで」

時間帯的に言えば今は帰りのホームルームだ。私は良く耐えた方だと思う。1日頑張ったんだよ先生!高杉君からの攻撃に耐えたんだよ先生!
毎時間毎時間頭に飛んでくる紙くず。もちろん、それらは後ろの席の高杉君によって投げられるもので。

「昨日は遅くまで悪かったな」って、最初は謝罪だったから「別に良いよ」って紙に書いて投げ返した。…のが間違いだった。

「喜んでやがったか。当然だがな。今日の夜も覚悟しとけ」

「今日一緒に帰っから待ってろよ。先に帰ったりしやがったら…タダじゃおかねェ」

…どこの鬼畜さん?

それからというもの、愛してるとか好きだとか、もう気持ちの悪い言葉をつらつらと…

「もう耐えられません。私の後頭部は屑篭ですか?違うと思うんです。先生もそう思うんなら席替えを、」
「あ、あのさぁ名前ちゃん。先生もしてあげたい気持ちは山々なんだけど〜…あの、高杉君…もういい加減怖いから」
「先生、」
「先生だって命は惜しい。ので!この話は無かったことで。ヅラ〜号令」
「ヅラではなく桂です、先生。」
「いや、いいから」
「気を付け、礼!」
「「さよーならー」」
「え、先生!」

ムッとした顔で後ろを振り返ると、してやったりな顔の高杉君。コノヤロー…着信拒否してやろうかな。結局恐ろしくて拒否できない私はタダのチキン。


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